覇王の番人(下) (講談社文庫 し 42-16)
覇王の番人(下) (講談社文庫 し 42-16) / 感想・レビュー
NAO
明智光秀が織田信長に叛意を抱く辺りの動機付けがちょっと甘いような気がしないでもないのだが、明智光秀が信長を討とうと決めてから、その後の討ち倒されるまでの諸将の動きが、とにかくすごい。こんな解釈もできるのかと、まさに目から鱗の展開だった。この解釈だと、なるほど秀吉の帰還の早さにも納得がいく。それにしても、もしこういうことがあったとして、明智光秀はなぜこうも簡単に諸将に騙され、担ぎ上げられてしまったのだろうか。それこそが、明智光秀の弱点だったのだろう。
2020/06/12
ポチ
光秀がどんな理由で謀反したのか興味があり読み進めたが、特に意外性もなく普通だった。ガラシャの最期は、こちらの説が納得出来た。何かを期待して読むと物足りなさを感じるが、明智光秀ってどんな人?と知りたい人にはいいかも。
2017/12/23
どぶねずみ
信長の罠に自分がはめられるのか、それとも家康がはまって自分のせいにされるのか。どちらも選べない選択肢に悩み抜いて選んだ決断、それが第三の選択、謀反だった。学校の授業だけで知った事実だけでは単なる悪者にしか思えなかった明智光秀という人物、秀吉ではなく光秀だったら?というタラレバが語られる理由がよくわかる。本当の黒幕がわかった瞬間のミステリー調は真保さんならではの作品で、結末は知っているにもかかわらず楽しませてもらった。8年後の家康との対面や、小平太が玉子を救い出す最後のシーンはハッピーエンドとも言えよう。
2020/11/05
shiozy
上下千頁を越える大長編である。読破に一週間もかかってしまった。それにしても、ここまで良くも書き込んだものである。明智光秀の一生を克明に綴ったその筆力に脱帽である。「覇王」織田信長の「番人」として、「本能寺の変」へ至る光秀の苦悩が余すところなく語られる。真保裕一渾身の力作である。
2016/01/24
GaGa
真保氏が歴史小説を書いていたとは知らなんだ。それも戦国ど真ん中を手掛けるとは。主役は明智十兵衛光秀と、親兄弟を侍に殺され、忍へと身を投じる小平太。光秀のキャラクターは多少美化された感があるも、小平太のキャラクターが立っており中々楽しく読める。さらに光秀の裏切りの背景に著者独自の解釈も交える。上下巻で分厚いが読みやすい作品に仕上がっている。
2012/01/19
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