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長い終わりが始まる (講談社文庫 や 66-2)

長い終わりが始まる (講談社文庫 や 66-2)

長い終わりが始まる (講談社文庫 や 66-2)

作家
山崎ナオコーラ
出版社
講談社
発売日
2011-10-14
ISBN
9784062770705
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長い終わりが始まる (講談社文庫 や 66-2) / 感想・レビュー

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さてさて

『将来に繋がる就職活動よりも、先のないサークル活動に力を注ぎたい。恋人ではない男の子と音楽を作ることが…今しかできない大事なことなのだ』。そんな思いの先に『今だけ生きて、あとで死にたい』と思う主人公の小笠原。この作品では大学四年の青春を生きる小笠原の今を大切にする生き様が描かれていました。マンドリンという楽器が物語に効果的な世界観を与えていくこの作品。切なさともどかしさが同居するような物語展開にいつか引き込まれていくこの作品。山崎さんが紡ぐ独特な世界観の物語の中に静かに青春の意味を思う、そんな作品でした。

2023/07/06

おしゃべりメガネ

たまに読むと妙にキモチが和むナオコーラさんの作品ですが、残念ながら本作はちょっとタイミングが悪かったのかハマりませんでした。マンドリンサークルで男女の話で、もうどちらのキャラも正直、ちょっとめんどくさく、最後にはどうでも良くなってしまいました。特に主人公「小笠原」のキャラが自分にとって根本的に合わない設定で、とにかく読み始めた意地?で読了しました。ここ最近、自分のコンディションがいい状態ではなかったため、読むタイミングによってはスッとハマる作品なのかもしれません。個人的にはナオコーラさんの作風は好きです。

2018/05/17

lonesome

サークルの経験もなくサークル内での男女の話も自分には無縁なものだったけれど、まるで友達に聞いた話のようなリアリティのある小説だった。田中って酷い男だね!って小笠原を励ますのも違うような気がするし、サークル内の人間関係についてどうのと感想を書くのも少し違うかなと思うけれど、山崎ナオコーラの作品の持つ淡々とした空気や登場人物の温度のようなものがあまりに身近なものに感じ、小笠原がマンドリンにのめり込む理由もとても自然な物語だと思う。終わりを受け入れるって結構孤独なものだ。

2014/01/29

masa@レビューお休み中

どこまでも客観的で、美しい言葉の連続。マンドリンサークル、仲間に溶け込めずどこか孤独な主人公の小笠原、盛り上がりに欠ける田中との恋愛。すべての設定は、敢えてそうしているかのように見えてしまうから不思議だ。不自然であればあるほど、この世界はそういうものなのだと思ってしまうのだ。三人称の表現もそうだし、登場人物に特別な感情を抱かせないのもそうだし、小説の世界に没入しないようにさせることが、この小説を楽しむ唯一の方法なのではないかとすら思えてしまう。そこが山崎節なのだろうなぁ。

2012/02/09

うめ

作者も女性なら、主人公も女性、読み手の私も女性なわけで、私の中の女の部分は、締め付けられたり、共感したりと震えたが(自分のままを出して、受け入れられないのは寂しいことだ)、私の中の男の部分は、こんな子がいたら確かにこんな感じに扱うなとたいそう冷たい。協調性が無く、案外甘えてくるのに、クールに強がって、ちょっと空いた時間で遊ぶのに最適、遊んだ事がバレそうにもないし、粗雑にしても怒りもしなければ突き放しもしないし、そういう事でしょ、みたいな。私、男に生まれてこなくて良かったかもしらん。

2018/12/27

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