おまえさん(上) (講談社文庫 み 42-13)
おまえさん(上) (講談社文庫 み 42-13) / 感想・レビュー
yoshida
「ぼんくら」シリーズ三作目。宮部みゆきさんの作品は現代物も時代物も、人情の機微や人の心の闇をリアルに描いている。しかし、どこかに人の心の暖かさが描かれ、救いとなり読者の心を打つのだろう。新薬「王疹膏」をめぐる遺恨。新薬を調剤した吉松を殺め、新薬を手に入れ秘密を共有した三人。時が流れ遺恨が三人を襲い、一人ずつ殺害されてゆく。上巻の最後で弓之助は真相に思い至る。同心の平四郎を中心にお徳や政五郎、魅力的な登場人物が出てくる。「おでこ」こと三太郎の実母おきえの、三太郎への気持ちがやりきれない。引き込まれ一気読み。
2016/01/17
ミカママ
前作、前々作を読んでからずいぶん時間が経っていたので、もう忘れてるかな?と思ったらそうでもないもんで。読みはじめてすぐにすべてのキャラが生き生きと息を吹き返したのはさすが。時代小説なのにちっとも読みにくいところがない。上巻の終りのほうで、事件はこれで収束か?!と思われたところ、やっぱりどんでん返しありました~。さぁ一気に下巻へ。
2013/06/17
文庫フリーク@灯れ松明の火
うへえ、、、ぜいたくとおいしいが一緒に来やがった。伏線だらけ?上巻だけで600ページ。ぼんくら同心・平四郎一家に加わる老練と若手。盥(たらい)扱いされる本宮源右衛門。味ある爺さまはお徳と名物コンビになりそう。角々煮崩れた芋煮のような俊英・間島信之助は《ぼんくら》ならぬ《ぼくねんじん》信之助の外見考えると男の人生すら狂わせかねない俊英にして美貌の弓之助は・・・人の見えない事まで見えるのは哀しいのかも。さて弓之助の推理から暴かれる下手人は?落語大名跡の噺を彷彿させる宮部さん。乗ってますね、下巻が楽しみ。
2011/10/01
よむよむ
あ~っ、ついに読んでしまった・・・ひとつの事件から次々に事象がつながり、人物も増えに増えて物語りは複雑になるばかり。でも!まったく読みづらくないのが宮部マジック。一人一人の心の揺れをちょっとした仕草で見事に表す鮮やかさ。私いま、江戸の町に住んでます^^
2011/10/16
まりもん
殺人の切り口が同じというところから共通点を探して推理するが、全員共通となるとなかなか難しい。けれど弓之助は色んな角度から探し出す才があるようだ。
2011/09/25
感想・レビューをもっと見る