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花競べ 向嶋なずな屋繁盛記 (講談社文庫 あ 119-1)

花競べ 向嶋なずな屋繁盛記 (講談社文庫 あ 119-1)

花競べ 向嶋なずな屋繁盛記 (講談社文庫 あ 119-1)

作家
朝井まかて
出版社
講談社
発売日
2011-12-15
ISBN
9784062770965
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花競べ 向嶋なずな屋繁盛記 (講談社文庫 あ 119-1) / 感想・レビュー

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佐々陽太朗(K.Tsubota)

『恋歌』で直木賞を受賞されたので注目していたが、朝井まかて氏は初読みである。友人のRさんが朝井氏にはまっていらっしゃると聞き、あぁそうであった私も読まねばと手に取りました。これが処女作とはびっくり。何に驚いたと言って読み物としてのおもしろさが抜群なのです。特に登場人物が皆魅力に溢れており、それぞれの人物に感情移入し幸せを願わずにいられなくなります。こんな気持ちどこかで感じたなぁと考えてみると、そうです髙田郁氏の「みをつくし料理帳」シリーズでした。髙田氏にはずいぶんはまりましたが朝井氏にもはまりそうな予感。

2015/08/27

Atsushi

今晩観たNHKの番組にソメイヨシノの起源の解説があり興味深かった。江戸中期の向嶋で種苗店「なずな屋」を営む若夫婦新次とおりんの人情物語。主人公夫婦はもちろん、脇を固める登場人物のキャラクター設定が粋で秀逸。べらんめえ口調も心地よい。雀(しゅん吉)の可愛さと健気さが良かった。心温まる一冊、お薦めです。

2018/04/13

のり

苗物屋「なずな屋」を営む、新次とおりん夫婦。利益優先な商売をせず、常に精進を積み、客への対応に心を尽くす。三年に一度の、育種の技を競う花師の祭典で、自ら修行した「霧島屋」の理世と再開する。何とも切ない過去があったにせよ、まさかの出来事が…「すずめ」の愛くるしさ、成長に微笑ましさを感じた。他の人々の幸せや苦難にも打たれた。霧島屋の門外不出の桜と理世の想いも重なる気がした。この作品がデビュー作じゃなかったらシリーズ物に出来たんじゃないかと思うと残念かな。もっと引っ張れたよ。(^o^)

2017/03/28

bookkeeper

★★★★★ 再読。江戸時代、草木の栽培と販売を行う"花師"なずな屋の繁盛記。品種改良で作り出された品種が投機対象になる時代にあって、技巧に走らずに実直な商売をする新次とおりん。阿漕なライバル店・応援してくれる御隠居・マスコット的な男の子などと書くと「よくあるヤツね」と思われるかもしれませんが、とても良い!桜を巡るエピソード(本当かは分かりませんが)や、女性天才花師との秘められた関係など読ませてくれます。主要人物であってもさりげなく退場していくのが、何処か儚くて切ないです。もう少し読みたい、腹七分目っぼい。

2021/03/10

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

花師。自然と人の手を加える領分を見極める目と心を持って、美しい花を咲かせる職人。舞台は江戸。太平の世を謳歌する人々は、武士も町民も季節の花を愛していた。花師・新次は、恩ある人に請われて、江戸中の花師が技を競い合う〈花競べ〉に挑む。〈仕事小説〉であり、市井の人々を描いた人情話であり、有名な花の寓話が紹介された〈園芸小説〉としても読める。大切な人を亡くしたある人物の台詞。「寿命が尽きるその日まで生き抜くよ。精一杯稼いで、食べて、遊ぶよ」。有限の生を力の限り咲こうとするのは、花も人も同じ。勇気が湧いてくる物語。

2015/03/30

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