猿猴 (講談社文庫 た 109-4)
猿猴 (講談社文庫 た 109-4) / 感想・レビュー
かみぶくろ
猿の救世主的な子どもを主人公が産むことで、人類が猿に滅ぼされる的な微笑ましいお話。終盤になるに連れて作者も変なスイッチが入ったのか、どんどん展開が雑に、ではなく力強くなっていくのも素敵だ。胡散臭い薀蓄も満載で、エピローグはかなりクール。楽しめました、いや、ホントです。
2017/06/05
アメマ
聖徳太子が訳した人類滅亡の予言から繰り広げられる伝奇ホラーは非常に読み易くスピーディーな展開なので一気読みも難しくない。神話、秀吉の埋蔵金、UMA、謎の宗教団体…色々な要素が絡み合う。どう纏まるか心配するが田中啓文だから最後はハチャメチャだろうと勘繰るがオチはやや尻つぼみ。ギャグとシリアスの紙一重を探ったかの様な作品だが中途半端な部分が他読者の低評価に繋がったかも。この人にはやはり突き抜けたものを期待してしまう。でもグロ駄洒落控え目でもくだらなさをさらりと放り込む本作品は嫌いではない。☆3.0
2016/06/10
真理そら
聖徳太子の未来記をもとに伝奇的に展開していく話。「猿の惑星」方向にどんどん展開していく物語が、非現実的なのになぜか妙にリアルなのが何とも言えない。とにかく、山と名の付くものには、仮令「天保山(標高4m余り)」であっても絶対に登りたくないと思わせられた。
2019/05/11
烟々羅
よく取材して書かれた、伝奇小説の水準作でした。 これくらいの小説を書けないと仕事としての小説家には足りないし、わたしは書けない。ワクワクはしなかったけど、満点しかつけられない。
2013/11/27
まつじん
伝奇小説なんですがなんと申しますか、手に汗握る感が全く感じられない怪作です。聖徳太子に関する偽史の題材はそれなりに面白いのです。猿猴自体の設定も悪くないんです。でもなぁ銃撃とかのアクションシーンや濡れ場スのシーンが淡々としすぎです。ひょっとするとトンデモ本かもしれません!
2012/10/07
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