喜の行列 悲の行列 上 (講談社文庫 ふ 38-12)
喜の行列 悲の行列 上 (講談社文庫 ふ 38-12) / 感想・レビュー
灯助
群像劇だけれど視点となる人物が50代ばかりなので感情移入して読むには早すぎた。でも大晦日に初売りの行列に並んでそこの人たちと連帯感を持ち始めるくだりは、若い主人公の恋愛小説を読むよりももっと疑似体験として楽しめた。「それもこれも喜朗が行列に並んだために……」が引き金となって登場人物たちの運命が変わっていくことを繰り返し書いているけどそこばかりに集約しすぎな感じがしなくもない。
2012/06/05
ちりちり
群像劇で数多の登場人物、場面で物語は構成される。 主軸はデパートの福袋の行列に並ぶ羽目になった定年間近の会社員の話。 その家族と、行列の人々との関わりから話が膨らむ。 知り合いと知り合いが知り合いだった、というような世間の狭さがあるけれどそこは物語として受け入れる。 ともあれこちらの作品は前編。まだ話半ば。 拡げられた風呂敷がどう終わりに向かい収束していくのか後半が楽しみです。
2023/04/23
やいまま
地味で平凡なサラリーマンの宝福。 奥さんと娘にせがまれ、 福袋を飼うために行列に並ぶ… って、宝福さん優しすぎでしょ 二晩も並ぶなんて… しかも、奥さんも娘も勝手に大晦日を楽しんでるのに… 何年か前にテレビのドラマで見たけれど、 最後にどうなったか忘れてしまったので、 続きが楽しみ。
2016/01/09
コホン
偶然の積み重ねをどこまで許せるのか試されている気がする。藤田さんは初めてなんだけど、こういう文体なんでしょうか。なんだかちょっと雑な気が・・・。
2013/10/15
sumjin
宝福喜朗(ほうふくよしろう)なんとめでたい名前ではないか。しかし、本人はいたって平凡な人生を歩み来年は定年を迎える。そんな年末のある日、妻と娘から、Aデパートの福袋購入のために大晦日から並んでくれと頼まれる。家の中での喫煙を条件に引き受けた喜朗は、2日の販売開始までの40時間、雪の降る中で並び始める。一方、妻は同じマンションの友人宅へ、娘は彼氏の元へと羽を伸ばす。登場人物がそれぞれ何らかの接点を持っているのが読者にはわかるのだが、登場人物たちは知らない。読んでいてイライラする。一昔前のメロドラマのようだ。
2013/02/01
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