ダウン・バイ・ロー (講談社文庫 ふ 76-1)
ダウン・バイ・ロー (講談社文庫 ふ 76-1) / 感想・レビュー
utinopoti27
山形の寂れた地方都市に暮らす女子高生の響子。目の前で幼馴染が電車に飛び込み自殺します。それ以来、不穏な事件が次々と起こり・・というお話。前半は、母親からの暴力、疲弊した街、殺伐とした人間関係など、響子の荒んだ精神構造が描かれます。中盤以降、響子が様々な事件に巻き込まれるあたりから展開が早くなり、ホラーテイストなラストへ。グロい描写が多いわりにはあっさりめの読後感です。どこかで見たようなパターンが多いのと、急に勇敢で命知らずのキャラに変貌するヒロイン。あと、警察もヤクザももう少し頭使って下さいな(;^_^A
2018/01/13
つねじろう
八神瑛子ロスから手に取る。そう深町版千と千尋の神隠しと言ったら叱られるだろうか?でもそんな感じ。幼馴染が目の前で踏切に飛び込んだ所から物語は始まる。その自殺の責めを負わされる高校生響子。猟奇的殺人事件、失踪する男友達。貧しい沈鬱な地方都市を背景に深町バイオレンスが徐々に弾け出す。弾け出すといつも通り一気呵成に狂気の世界まで。その過程でボロボロになりながらも逞しくなる響子。そのタフさは八神瑛子並み。最後山形弁バリバリの刑事から警官になる事勧められるけど、その後名前変わるのって思わせるくらいの出来栄えでした。
2015/11/13
Natsuki
響子達の目の前で電車に飛び込み、自らの命を絶った遥。なんで?どうして?あんなことで?・・・その日を境に響子の生活は一変する。イジメを疑われ、クラス内でイジメられ、母親との関係もうまくいかない。そんな中で立て続けに起こる児童惨殺・飼い犬殺し・男友達の失踪。寂れ行く地方都市の闇を描く。同じ深町作品でも『ダブル』を読んだ時のような前のめりにページを捲る感じではなく、何かジワジワと迫り来る閉塞感に後ずさりするような感覚。犯人も展開も唐突過ぎて、冒頭の遥の死がボンヤリとしてしまった気がして惜しい。
2015/02/15
あも
著者の出身地がモデルと思われる山形県の地方都市が舞台。主人公の女子高生・響子の目の前で親友が自殺した。から始まる、ダークでバイオレンスなお話。誰もが貧しく、緩やかに衰退していくばかりの田舎町に潜む闇に飲み込まれないよう響子は抗う。暴力的でえげつないのだが、どうも乗り切れず、読みながら段々気持ちが離れていってしまい、残念ながらラストまでふんふん、そーなんだ、と他人事のように読了。ちなみにアメリカの古い同名映画のwikiによると、タイトルはアメリカの刑務所の隠語で、「親しい兄弟のような間柄」を意味するらしい。
2013/04/15
巨峰
テンポよくて面白かった。震災の影響で衰退を続ける山形の地方都市が舞台。同級生響子の目前で飛び込み自殺する女子高生。それを契機に小さな田舎町に陰湿残酷な事件が連続する。響子の成長譚としてもなかなか
2015/08/30
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