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遠い響き (講談社文庫 ふ 75-1)

遠い響き (講談社文庫 ふ 75-1)

遠い響き (講談社文庫 ふ 75-1)

作家
藤谷治
出版社
講談社
発売日
2012-04-13
ISBN
9784062772365
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遠い響き (講談社文庫 ふ 75-1) / 感想・レビュー

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ryunosu

はじめて読むストーリーライン。久々に読書体験で胸を熱くさせられた。人間の持つ罪性。それを見て見ぬふりをする無関心な心。単に、都会は互いに対して無関心だよねー、とか冷たいよねー、とか言ってられない気がした。その無関心の向かう先には、とてつもなく大きな地獄が待っているのではないかと感じた。

2014/01/23

Janjelijohn

今だかつて読んだことのない小説だった。 気弱で会社では空気を読むことにビクビクしながら生きていた男が台風の日に多摩川にいきつくまでを独白しながらすすむ物語。 サスペンスでもあり、孤独を持ち寄ってただ空気を醸成している現代の日本社会を風刺した作品。 こういったモヤモヤする話こそ、記憶に残るのだと思う。

2022/11/20

N・Toshi

変な人が、変な内容の話を、一人語りする変な手触りの小説。でも面白い。すっかり藤谷ワールドにはまったみたい。「船に乗れ!」はすごくいい話だったけど、続けて読んだ、「アンダンテ・モッツァレラ・チーズ」「下北沢」そして本作はどれも変。でもこの作家の本は全部読みたい。

2015/06/03

shun

予想以上に面白く読めた。この男にいったい何が起きたのか、あんな悪天候のなか何をしていたのか、支離滅裂としたこの話は最終的にどこへ向かうのか、知らず知らず引き込まれていた。まるで自分も一緒にこの男の前に座ってじっと耳を傾けている気分になる。そう思うと得体のしれない恐怖が自分に襲い掛かり、じっとりと変な汗をかきそうだ。

2013/02/23

_bookuma

☆3 読みかけの小説を家に忘れてしまい、それでも何か読みたくて駅の小説の自販機で初めて購入した本です。台風の中、偶然出会った男の話をとにかくひたすら聞く。そういうお話でした。最初はなんだこれ、この男の話を延々と聞くだけの話なの?と、思いましたが、この男の話の不穏さになぜかのめり込んで読んでしまいました。社会の理不尽さ、暴力、そんなものが揶揄されてたくさん詰まっているように思いました。終わらない台風。この世界みたいですね。

2012/07/27

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