ヘヴン (講談社文庫 か 112-3)
ヘヴン (講談社文庫 か 112-3) / 感想・レビュー
遥かなる想い
クラスで陰湿なイジメにあう僕と コジマの心の交流の物語である。 ひどく透明な雰囲気が著者独特の世界に 読者を誘う。 僕を虐める 百瀬、二ノ宮の心の壊れ方が 怖い…くじら公園での 二ノ宮たちの イジメに対する コジマの壮絶な抵抗には 圧倒される。コジマが見たのは 何だったのだろうか?ひどく心に痛い物語だった。
2018/11/21
テンちゃん
『ヘブン?❢』⇨『天国?❢』⇨『救われる場所は?❢』⇨『苛められ、暴力を振るわれ、なぜ、僕は、それに従うことしかできないのだろう』⇨『14歳!』o(>_<)o『同級生からの苛め!』⇨『相手の痛みを知る為の試練?❢』;(∩´﹏`∩);『自分の身は自分で守らなければならないの?❢』⇨『善悪の根源を問う❢』⇨『苛めは永遠になくならないのか?❢』『正解という解決策は未だに出てこない❢』⇨『大人社会』=『子供社会』⇨『子どもの良き鏡となりたい❢』考えさせられる作品!メッセージ力☆(๑•̀ㅂ•́)و✧4.8
2016/03/14
ALATA
「私たちは仲間です」小さく折りたためられた手紙に僕とコジマの暗い、先の見えない闇が広がっている。前半はクラスから疎外される「僕」の行き場のない世界が綴られ読むのが辛かった。ヘヴンはどこにあるのか、何んなのか?周りの人がしっかり見てくれるそんな世界が出来れば…★3※月に一度、深く考えさせられる本がある。苛めはなくならない、母さんと歩く並木道の果てに白く光る向こう側がみえればいいな。
2023/10/29
おかむー
“楽しい読書”したいのならとてもお薦めはできない欝作品ですご注意を。『よくできました』。終始主人公「僕」の視点から、僕とコジマに降り掛かるいじめそのものよりも、僕の心の有り様と変化が描かれる。苦しみ迷う「僕」を軸として、理不尽を受け入れ意味を見出そうという信仰にも似た「コジマ」と善悪も意味も認めない容赦ない現実を突きつける「百瀬」という両極の存在こそがこの物語の本質であるのだろう。そして訪れるいじめの結末はやる瀬なく、斜視を治療して僕の見た世界の美しさは悲しく空虚なものなのだった。
2014/08/09
かみぶくろ
とくに辛いニュースなんかを見ているときに思う、この世界の「どうにもならなさ」を改めて提示されているようだった。作中起こっているのは、極めて社会的な行為であるイジメであり、ものすごく丁寧に加工された小説であるにも関わらず、剥き出しの「自然」そのものを生で見せられているように感じたのは作者の力量なんだろう。全編に満ちている悲しいって感情すら、この世界観のもとでは不遜に感じてしまう。ラストの美しさは鳥肌ものだが、その美しさはどこにも繋がらない、ただそこに在るだけの美しさであり、言葉に出来ない鮮烈さがあった。
2016/09/03
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