ゼロの王国(上) (講談社文庫 か 125-1)
ゼロの王国(上) (講談社文庫 か 125-1) / 感想・レビュー
絹恵
みんなを愛していると言うその博愛は、誰も愛していないと捉えられるように、究極の謙虚さは卑屈に映ることがあるのかもしれません。誰かにとっての聖者は、他の誰かにしてみれば愚者になるのだと思います。だからこそ、愚か者の道を選び、そしてそんな愛すべき愚か者を好むこともまた紛れもなくままならない人間性を表しているのだと感じました。
2015/03/26
ケイ
独特の会話の言葉遣い、シェイクスピアの翻訳もののような会話を若い男女が続けていくのが、感情移入できず、読みづらかった。それぞれの行動の基準も独特で…、読友さんもだれも読まれていないのに、なぜ読みたい本に入っていたのかな? 下巻はギブアップです。
2013/10/13
四野一二三
会話劇、という形式をとった小説で、読んで字のごとく会話だけで成り立っている作品です。戯曲みたいなもんですね。感想としては【長い!!】です。長い、長いよー、これがこのテンションでまだ下巻もあんのかよー、もういいじゃねーかー、というタイプのちょっとうんざりする長さですね。あれだ、例えるなら中学校の頃に学校の行事で文楽とか歌舞伎とか見させられたような気持ちです。
2016/08/22
ソラ
不思議な雰囲気の作品。聖人君子の吉田青年を中心に話が進んでいく。主人公の考え方はあまりにも聖人君子過ぎてイライラするし、登場人物に対してもあまりいい感じはしない。だけど、何となくぐいぐい読まされてしまう作品。
2012/07/01
🐾ドライ🐾
言動が真っ直ぐで純粋な吉田青年。謙虚さの塊、無垢な善人。悪意を持った人に欺されても、彼は自分に非があるとして赦すだろう。作中にある通り、太陽のように愛を降りそそぐことができるが、男女間の愛情や性愛には疎い。彼に恋愛感情を持った女性は自己卑下に陥ってしまう。そんな男が人を幸せにできるのか… 作者がテーマとする「聖なる愚か者」がどのような人物かわかる。しかも恋愛小説風だから尚のこと理解しやすい。ただし俗物 of 俗物の自分には、彼らの遣り取りはファンタジー。「肩の力、抜こうよ」って思いながら下巻へ…
2021/08/03
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