ゼロの王国(下) (講談社文庫 か 125-2)
ゼロの王国(下) (講談社文庫 か 125-2) / 感想・レビュー
絹恵
自分が持っていないものを持つ人に惹かれるのなら、自分と似た愚かさを持つ人のことが気になってしまうことも仕方のないことなのだと思いました。内省的考察を繰り返しても、彼の清い心では愚かさに辿り着くことは出来ません。愛のないスペードが別離を暗示しても、この王様のいない国で彼は初めから全てを無に帰す慎ましいゼロでした。
2015/03/28
Yuki Ban
みなさん下巻の方が動きがあっておもしろいとお書きになっているが、僕は上巻のが頭に入ってきておもしろかった。下巻を読んでた時は寝不足だったり疲れてたのかな?本作はドストエフスキーの白痴を下敷きにしてると言うが、その白痴も僕はよく覚えてない。でもなんかスイスイ読めた!
2023/08/15
ソラ
何となく終わった作品。最後の分を見ると吉田青年の話はこれで終わりではないのかな?
2012/07/01
🐾ドライ🐾
聖なる愚か者を正教会では「佯狂者」っていうらしい。愚者を装った聖人のエピソードは様々な尾ヒレがくっついて語り継がれている。 現代の「佯狂者」吉田青年の周りには人が集まり、彼の平等の愛が何らかの影響を及ぼす。「水清ければ魚棲まず」というし、吉田青年の過剰なまでの清廉さと堅っ苦しい会話劇に最後まで共感しづらく、作中に居場所を見つけにくかった。でも読みやすい作品ではある。『白痴』が下敷きになっているらしい。これを読み切ってドストエフスキー恐怖症が軽くなったかは…自信がない😅
2021/08/08
訃報
基本的に「わかる~」と思いながら読んでいたが、最後に主人公がたどり着いた思想はまだ僕の理解を越えていて、だからこそ自分にとって価値あるものだと思った。読み終わった後は人を愛さないといけないなあと思ったし、「繰り返しの作業」を頭に置いておけば仕事も楽しめそうな気がする。まあこんな気持ちもすぐ忘れるんだけどね。
2018/12/16
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