質草破り 濱次お役者双六 二ます目 (講談社文庫 た 118-4)
質草破り 濱次お役者双六 二ます目 (講談社文庫 た 118-4) / 感想・レビュー
藤枝梅安
シリーズ2作目。まずはカバーの絵が人物の性格や役割を予め教えてくれる役割。歌舞伎の番付の絵のような感じ。名題下の女形・濱次の成長を期待し見守る、師匠、座元、芝居茶屋の女将を中心に、二階、三階の役者たちに奥役。さらには長屋の面々、大店の若旦那とその姉など、まるっきり歌舞伎の配役である。歌舞伎や芝居が好きな私にはうってつけの設定と人物だが、読者によっては好き嫌いがあるのだろうな。初代香風の扱いについても、気に入らない人がいるかもしれない。名題への道のりはまだまだ先。じっくりと見物と読者を楽しませてもらいたい。
2014/02/27
財布にジャック
濱次さんにまたお逢いできて、嬉しかったです。歌舞伎が身近に感じられる楽しいシリーズで、シリーズ第2弾も読みやすくて、いい話でした。新たな登場人物達も魅力的な個性あふれる人揃いで、いろいろな人にスポットを当てて貰って、これからもずっとシリーズが続くと良いなぁと思います。歌舞伎といえば数日前の勘三郎さんの急死はものすごくビックリしました。ご冥福をお祈りします。
2012/12/07
ぶんこ
濱次さんが宿代わりした長屋の人達がいいですね。良太郎君がいいな。 健気で、私が長屋の住人だったら世話をやいちゃいそうです。 相変わらず欲のない濱次さん。 役を降ろされても「こんなもんかな」には、オイオイとズッコケました。 この性格だから、逆に周りに心配されつつも贔屓にされるのでしょう。私も贔屓にしています。香風さんの心配に、私までソワソワ。もっと稽古好きになって欲しいです。新しい長屋での生活と、三味線の豊路さんとの関わりも増えて、役者としての欲が出てきそうですね。今回も「翔ぶ梅」の舞踊場面が出てきて満足。
2015/06/23
フキノトウ
「目立たず、騒がず、なんとなく」役者をやっている濱次が、やっとわずかに役への拘りをみせるようになってきたので、今後が楽しみです。お師匠様が2人もいるから安心です。清助の皮肉も通じない恋患いがとっても微笑ましかったです。
2014/04/02
moonlight
質に入れるのは物に限らず、というところに江戸っ子の心意気を感じる。お役者双六の濱次のシリーズその②は、濱次の家移りから。長屋の家主は質屋を営む姉弟。他に住む所の無い女達を住まわせる優しい家主だが、筋の通らぬことは許さない。商売も真剣勝負なら芝居の道も真剣勝負。先にシリーズの⑤を読んでしまったので、ふんふん、あの人とはこんなことがあったのね、という楽しみ方で読み進めている。
2022/10/24
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