文庫版 死ねばいいのに (講談社文庫 き 39-14)
文庫版 死ねばいいのに (講談社文庫 き 39-14) / 感想・レビュー
sk4
文庫版で再読。 京極さんの小説と言えば、辞書より分厚くて字がギッシリ・・・ でもこの本は割と薄めです。 だったら____死ねばいいのに。 ・・というぐらいの唐突さでタイトル砲をぶちかますケンヤ。 初読の時はケンヤが脳天から振り下ろす伝家の宝刀『死ねばいいのに』の爽快感に心を奪われていたけど、再読してみると改めて不思議な話だと思う。最後まで読んで、この乾き。もしも自分がアサミだったとしたらどうしただろう? 謎です。
2013/07/05
nobby
文庫にて再読。殺された亜佐美について、上司・同僚・母親達な周囲に聞き回る健也だが、返ってくる言葉は弁解や愚痴など自身のことばかり…「自分、バカなんすよ…」と呆けながらも徐々に問い詰め、そんなにツラくて生きたくないのなら「死ねばいいのに」と最後に決め台詞でぶった斬るのには爽快さ漂う。その自分本位な胸中が暴かれる様には自らも重ねてドキッとさせられる。最終章に向けて明らかになる真相が、内容の衝撃に反してあっさり記されるのも印象的。7年振りの読後もまた、その自虐開き直るキャラに馴染めず苛立つばかりだったのも確か…
2018/03/30
🐾Yoko Omoto🐾
京極作品初読み。殺された被害者の周囲の人間の自己欺瞞の仮面を引き剥がしていくという内容で、皆が様々な愚痴や不満などの本音を吐露していく様子は身につまされる部分もあり面白かった。だが毎話ごと「死ねばいいのに」という辛辣な一言を持ってくる同様の展開に正直後半は飽きてしまった。また「自分は教養も常識もない非常識な馬鹿」だと、はすっぱな言葉遣いで何度も繰り返すような主人公が、事件関係者の本音に迫り矛盾を糾弾していく姿がどうも説得力に欠ける。私から見ると彼もまた人の意見は聞かず自分の主観ありきに思えて仕方なかった。
2014/08/08
優希
ゾクっとさせられますね。死んだ女性・亜佐美のことを問いかけるケンヤ。彼が投げかける問いは問われた人たちの心の奥まで抉り取っているようで鳥肌が立ちました。交わらない会話の中で見透かされる想いがあるのが怖いところです。浮かび上がる心の昏さが際立つ感がありました。最後にケンヤが解き放つ「死ねばいいのに」の一言は百鬼夜行シリーズで言う憑物落としと同じ効果を出しているのでしょう。妖怪こそ出てきませんが、ある意味で人の心の闇という妖怪の如くの心理に入り込む怖さがあると思います。
2017/05/03
YM
お気に入りさんに紹介してもらった本書。「死ねばいいのに」というキャッチーなタイトル、装丁の不気味さ、これは僕の好きな人間関係ドロドロ、怨みまくりのやつだと思って読み始めたら…、ぜんぜんでも無いけど、ぜんぜん違う!これはできるだけ情報入れずに読んだ方がいいと思います。確かにミステリーなんだけど…。長いなあとか思うんだけど…。読めば読むほどアレを待ってる自分がいるんです…。もしかして、ありきたりの自己啓発本読むより、これ読んだ方が…。あー、だめだめ!言いたくなるー!とってもおもしろかった!
2014/12/01
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