隠し絵の囚人(下) (講談社文庫 こ 51-19)
隠し絵の囚人(下) (講談社文庫 こ 51-19) / 感想・レビュー
遥かなる想い
アイルランドと英国の関係は、日本人にはわかりにくいが、その絡みを起点にミステリを膨らませる発想はゴダードならではなのだろう。だが正直初期の作品と比べて人物造形も過去の事実も書き込みが浅く物足りなかった。モザイクが剥がれていくようなゴダード独自の世界はもう蘇らないのだろうか。
2013/04/21
みっぴー
やっぱりだめです。最後まではまりませんでした。政治が絡みすぎてミステリー色が薄くなったのか、もともとミステリー要素が弱かったのか、、、?うーん、期待してた初読み作家さんだけに、残念です。致命的なのが、魅力的な女子がいないこと((T_T))ヒロインのレイチェルをもっと活躍させてスポットを当てて欲しかったです。
2018/06/10
真理そら
ユダヤ人ダイヤモンド商のピカソコレクションが1940年と1976年では所有者が変わっている。絵画詐取、大掛かりな贋作制作、IRAの闘争等、物語は徐々に広がっていき登場人物も増えていく。しかも1940年と1976年が交互に描かれているので構成としては、ま、複雑かな。ヒロインには魅力がないが、悪役には魅力があった。44章は1922年を描いた短い章だが映画『アナザーカントリー』『モーリス』を思い出した。この章のおかげでエルドリッチのリンリーに対する複雑な思い入れが分かる気がした。
2018/08/09
stobe1904
いつものゴダード作品のように派手さ、アクションなどないが、歴史に翻弄された人々の生きざまが丹念に積み重ねられていく。1940年代の大戦中の不穏なヨーロッパと1970年代を行ったり来たりカットバックしながらの濃密なものがたりを堪能した。いっときゴダードに飽きた時期もあり数年ぶりのゴダードだったが、相変わらず面白く、ちょっと時間をおいて新作を読みたい
2015/08/12
りつこ
最後まで読んでも、あれ?やっぱり読んだことなかったっけ?というデジャヴ…。巻き込まれる主人公、分かりやすい悪役、巨大な敵、身近な味方。いかにもな流れだけど、それが心地よくたのしく読んだ。ラストの二章がとても良かった。こういうところがうまいなぁ!
2013/07/03
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