ちゃんちゃら (講談社文庫 あ 119-2)
ちゃんちゃら (講談社文庫 あ 119-2) / 感想・レビュー
のり
江戸市中で孤児として悪さを働いていた「ちゃら」を、植辰(庭師)の親方が弟子として取り立てる。親方に仕込まれ腕を上げる中、「嵯峨流」を名乗る一門が横やりを入れてくる。巧みに人心を惑わし、植辰一家が窮地に追いやられる中、理解者や新たな出合いが救いの手に…親方の娘「お百合」や「五郎太」絡みも胸が熱くなる。結末も思わぬ展開へ向かって行ったが、納めも流石。丸印に辰の字の半纏。「ちゃら」にとっては、替えの利かない宝に違いない。(^o^)
2017/06/09
酔拳
庭師「植辰」で修業している浮浪児「ちゃら」を主人公にした小説です。当時の江戸の社会背景を交えながら、庭師として成長していく「ちゃら」がテンポよく表現されています。江戸時代は、庭師に庭を造ってもらうことが、流行していたこを初めて知りました。また、「ちゃら」のように浮浪児がたくさんいたということも驚きでした。また、流行り病もよく流行していたという事も知ることができました。「ちゃら」と個性豊かな登場人物の関わり方がとてもおもしろく、ページがすすみました。お寺で流行り病の市井の人達を看病する尼さんが素敵でした。
2018/09/10
佐々陽太朗(K.Tsubota)
正直なところデビュー作『花競べ 向嶋なずな屋繁盛記』のほうが良かった気はする。とはいえ充分な読み応えがあり、私好みの時代小説でした。朝井氏の作品を通読するつもりです。作中、登場人物のご隠居に語らせた次の言葉が印象的だった。「死ぬのもええもんやと思いますわ。皆、死ぬために生きている。いつか死ねるから、生きてられる。この世におるのもあと少しやと思うたら、どんなに辛かったことも懐かしいもんになる」
2015/09/01
積読亭くま吉(●´(エ)`●)
★★★涙あり笑いあり、謎解き有りの人情噺。作庭に準え仏説を説き、青春の甘酸っぱさも加えられ、と盛に盛々(笑)すかたんも読みたい♪…が(褒めてんだょ、褒めてんだけどね)序盤は延々と庭仕事のあらましが語られる割に、決して説明的では無いので、後半の種明かし的大活劇が判りにくい。もう少し「庭」をわかりやすく拡げないと、庭仕事も見立ても、ソレを知らない人にはサッパリ分からないのでは?庭に築山と石と松があって、庭師(造園)が出入りする家ならこの話面白い。ちょっと勿体無いかな
2015/05/25
紫 綺
単行本で読了。小気味の良い江戸お仕事小説。読後感も良く楽しめる。
2014/02/09
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