アイビー・ハウス (講談社文庫 は 105-1)
アイビー・ハウス (講談社文庫 は 105-1) / 感想・レビュー
おしゃべりメガネ
う~ん、読んだタイミングが良くなかったのか、我ながら珍しく最初から最後まで見事なくらいしっくりこない作品でした。原田ひ香さん作品なので、過去作品を読む限り、割と作品の持つ雰囲気に入りやすく、人物たちにも馴染みやすい作風が大半なのですが、どうしたことか本作はページ数も200ちょっとと多くはないのに、まったくといっていいほど誰一人として感情移入ができませんでした。2組の夫婦が同居し、それぞれの悩みや葛藤をというような作品ですが、果たして誰が何を言いたいのか、考えがどんな方向なのか、最後まで「???」でした。
2016/03/06
ノンケ女医長
子どものいない2組の夫婦が、一軒家を2,200万円で購入し、シェアハウスとして5年間を過ごす。地元の小学生が「エロ屋敷」と表現する3階建ての外観には、蔦が生い茂っている。周りからどう見られているのか、思いを寄せることもなく過ごせていたのだろう。充実していた時間も、次第に価値観の違いで亀裂が走った。仕事をできる限り減らし、自宅でゆっくりと食事を楽しんで過ごすという令和的な価値観が、いっそう普遍的なものになっていくのだろうか。社会的負荷を徹底的に避ける、目黒一樹の後ろ向きさがとても気になるところ。
2023/01/06
なゆ
つたの絡まるアイビー・ハウス。友人同士の二組の夫婦が、二世帯住宅を購入しシェアして住む。この家をシェアすることで、仕事やお金にこだわらないのんびりした生活を送りたい、という共通の認識で。そうやって暮らし始めて5年、というところからこの話が始まるが、なんかもう、危うい危うい。一見、とても穏やかに生活を満喫しているような目黒家の夫婦でさえも、なにかヒヤッとしたものが漂うようで。生活の中の経済観念、いろんな夫婦のありかた、価値観の変化などなど、なんか読み始めたら止まらなくなってしまった。
2016/03/01
ゆみねこ
蔦の絡まる赤レンガの一軒家に二組の夫婦が住まう。三階には篠崎夫妻、二階には目黒夫妻。住居にかかるお金の心配をせずに幸せに暮らすと言う目的が五年の歳月と共に微妙なすれ違いを浮かび上がらせてゆく。きっかけになったのは若い女の訪問。家族であっても心は通じなくて歯がゆい思いをすることも多々、他人同士が四人、これは難しいだろうなと想像できました。
2015/02/17
kei302
ゆるい関係に変化した2組の夫婦に希望が見えたような、たぶん気のせいのような。独特のザラつき感が始終つきまとう系の原田ひ香作品のひとつ。初めから無理があったんだよ。
2023/01/04
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