カント・アンジェリコ (講談社文庫 た 123-1)
カント・アンジェリコ (講談社文庫 た 123-1) / 感想・レビュー
カナン
久々の挫折本。設定はいいはずなのに何故か異様に読みづらくて頭に入らず頁も先に進めず、ざっくりとした大まかなあらすじだけ確認して一旦寝かせて再びリベンジしたいところです。設定的には好みにばっちり合ってるはずなんだけどなー。同じ著者の「ムジナ・マキーナ」の方も積んでいるので、何とかしてチャンネルを合わせてのめり込むように読んでみたい。「サイバーパンクっていうかメタルじゃん!?」と思った最初の印象が果たして次頁を開いた時にどう変わるのか、自分の目で確認したい(笑)
2022/01/19
skellig@topsy-turvy
サイバーパンキッシュな18世紀パリで、男でも女でもないカストラートの天使的歌声が電話回線を破滅へ追い込む?設定からして魅力的な物語の舞台はバロック全盛、街中で電飾が輝き回線を徘徊する「ハッカー」たちが生息するもう1つのパリ。無論、回線への脅威たるカストラートの謎を解き明かし、破滅を阻止する冒険が物語の中心ではあるのですが、カストラートの味わう栄光と衰退、尊敬と侮蔑といった明暗、語り手のオペラチックな口ぶりも味わいどころとして魅力的。
2014/08/24
Lumi
文体が独特で複雑というか、何が起きてるのか理解するのが少し大変だったけど雰囲気は好きでした。 聞いた人が喜びでおかしくなるほどの美声、聞いてみたい。現代にカストラートがいないのは残念だなと思ったけど、自分が女だからそんなふうに思うのかな。 確かに性器切り取るのは残酷か。 カストラートのために作られた曲は今の人には歌えないらしいです。 カストラートの声、生で聞きたい。 比喩表現が素敵で、汚いようなことが綺麗に表されてるように感じました。
2018/03/29
Miyako Hongo
18世紀フランスに電話があって、それをタダ掛けするハッカーがいるという設定のSF。ジャンル的にはスチームパンクだろうけど、方向性は野阿梓。ただしホモはいない。□確かにギーグやナードは喪男率高いけど、それと性的不能なカストラートが同類かと言われるとちと抵抗あり。モテないから技術オタになる、は男性には納得できる話なのか。それとデータ通信の前提がない世界ではハッカーに旨味はなさげ。□”道具”を持ってる寂しいカストラートの設定と、18世紀フランスのゴシックなイメージは個人的にグットタイミングの大アタリでした。
2015/02/01
橘
面白かったです。18世紀の、カストラートがいた時代に、電話や電飾があるという、とても華やかできらびやかな世界でした。目眩く、という言葉がぴったりなような。カストラートの歌声聴いてみたいなぁ。謎解きはよくわからずでしたが、装飾がほどこされている文章も素敵でした。
2013/09/24
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