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地のはてから(下) (講談社文庫 の 9-10)

地のはてから(下) (講談社文庫 の 9-10)

地のはてから(下) (講談社文庫 の 9-10)

作家
乃南アサ
出版社
講談社
発売日
2013-03-15
ISBN
9784062774963
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地のはてから(下) (講談社文庫 の 9-10) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

上巻の最後での予測は見事にはずれてしまった。それはともかく、この小説世界に慣れたこと(すなわち、それだけ求心力があるということなのだろう)と、戦中の生活がある意味では全国的に平板なこともあり、下巻はやや特徴に乏しいものになったかと思う。三吉との再会も実にあっけないものであったし、それはそれで小説が下巻に入って劇的なものから、あえて日常的な次元で(それは、とわにとっても、また当時北海道に生きた女たちにとっても)語ろうとしたことの表われでもあっただろう。生きたことの確かさこそが、この小説のテーマであった。

2021/07/23

いつでも母さん

世界遺産・知床に人は魅せられる。地名の由来を知ってるだろうか?地の果てだ!夜逃げして未開の地に入植した家族の物語。あなたが女性なら諦めたと思いつつもまだ引き返せると思ったことは無いだろうかーそんな娘・とわの崩れる恋心と人生。それと同じく、それ以上にそこで暮らしてきたおがちゃ(母)の年月を思う苦しく切ない再読の時を得た。これは全ての女性へのオマージュだ。文中で『お国のいう事に巧い話があっても十に一つと思わないと、あとで酷い目に遭う』どこぞの誰かに聞かせたいものだ。乃南作家の渾身作です。お薦めです。

2017/07/22

相田うえお

★★★★☆19065 上巻から流れを見ていくと、地の果てに行き、実の父親を海で亡くし、義理父を火事で亡くし、家族が食べていくだけでやっとの貧乏暮らし、口減らしで奉公,女中に出され、疫病にかかり、アイヌ人に恋心を抱くも無理矢理知らない先との縁談、あっという間の祝言。自分の人生を嘆く毎日。さらにこれから先がまた壮絶!う〜ん、もう、胸がいっぱいいっぱいで何も語れない程の読了感。お見事!としか言いようがない傑作だと思いました。読ませる作品だなぁ〜。●知床、もともとアイヌの呼び方はシリェトク、意味は地の果て。

2019/07/17

naoっぴ

圧巻の読みごたえ!どんな困難にも耐えて生き抜くとわ一家の姿に感無量です。開拓民としての極貧の子供時代、さらに結婚後も困難な生活は続きやがて戦争が始まり男達はいなくなり…。それでも子供を育てるため女たちは心を殺しても生き抜いていかなければならない。この精神力と粘りは、現代の暮らしでは到底養われるようなものではありませんが、この物語の中で少しだけ学べたような気がしています。なにがあろうと明日まで生きる。ぐちゃぐちゃ考える前にまず前を向いて生きることを考える。なんて逞しい!面白かったです。

2016/01/19

ミエル

とわに親近感を持った理由がわかった気がする。生きのびるという目的のために葛藤し、苦い思いを飼い慣らしながら成長する人の姿が良かった。著書の描く女性の筋の通った子気味よさが好き。それにしても、とわにはハズレ旦那だったな。夫婦の器の大きさが違いすぎて歯痒い。申し訳けど、夫亡き後の母子だけの生活にホッとしてしまった。山っ気もないし暴れないだけマシなのか・・・ でも、とわにはもっとレベル高い旦那の方が良かったよね。今度ニサッタ、ニサッタを読もう。

2020/05/21

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