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北緯14度 セネガルでの2ヵ月 (講談社文庫 い 113-7)

北緯14度 セネガルでの2ヵ月 (講談社文庫 い 113-7)

北緯14度 セネガルでの2ヵ月 (講談社文庫 い 113-7)

作家
絲山秋子
出版社
講談社
発売日
2013-04-12
ISBN
9784062775113
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北緯14度 セネガルでの2ヵ月 (講談社文庫 い 113-7) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

絲山秋子さんのセネガル滞在記。彼女が9歳の時にテレビで見て衝撃を受けたドゥドゥ・ンジャエ・ローズの音楽の背景を肌で感じたいがためにミラノ経由ではるばる西アフリカのセネガルへ。旅の動機はあるいはこれくらい単純なほうがいいのかもしれない。この分野の古典的名著、沢木耕太郎の『深夜特急』だって似たようなものだ。それにしても絲山さんの順応力はすごい。万事において、セネガルの方が日本よりも快適なくらいのようだ。逆に言えば彼女は日本的規格からははみだしているのだろう(もちろん、いい意味で)。セネガルに行ってみたくなる。

2014/04/30

metoo

私は絲山秋子が好きだ。だからこのセネガル旅行記「北緯14度」は彼女の人となりが知れて実に楽しかった。何故セネガル旅行記か、それは彼女が9歳の時にセネガル人ドゥドゥの太鼓を聴いて魅せられたから。本書は最新情報とすれば少し古いが、セネガルやアフリカ旅行の心得、旅先でのホームシック及びその克服そして帰国後の虚脱感及びその克服、もろもろ旅のヒントが貰える。そして著者ファンとしては辛い時に送る日本の彼へのメール、そして帰国時に空港まで出迎えてくれた彼とのやり取りに、絲山秋子も生身の女なのだとニヤニヤが止まらない。

2017/10/24

サンタマリア

セネガル人とすぐに仲良くなっていく絲山さん。そんな彼女だからこそ成立した紀行エッセイだろう。セネガルでの友人との日常から彼女自身や彼女にとっての言葉についてもスポットが当たっている。面白かった。「終わったんだよ終わった終わった終わった全ては終わった。明確に終わった。」

2021/07/17

カムイ

この人の紀行エッセイは初。好きな作家なのでハチャメチャな旅になるのかなと思いながら読み進めた。アフリカのセネガルに行こうと企画されたものだが作者の好きな音楽家のドゥドゥに会いに行くぞと意気込むが、編集者に悪態をつき、すぐホームシックになったりと躁鬱を抱える作者!旅情より人とのスキンシップを主に割き温かいセネガル人に感銘しまたは嘲り自由奔放な秋子女史に喝采します。セネガルではほぼダカールに滞在しているが乾燥した赤土の砂塵舞う町中を右往左往して食あたり迄してそれでも美味いうまいと宣うのが彼女らしい。

2021/08/07

ホークス

アフリカはセネガルの2ヶ月滞在記。子供の頃好きになった民族音楽が一応の目的。男前でキッパリしている著者は、実は躁鬱に苦しんでいる。当初は文章もトゲトゲしい。でも環境や人に馴染み始めると、みるみる実感が湧いてくる。一方で日本や以前の世界は実感が遠くなる。その変化がとても急。著者の個性か、女性の傾向か。私は全体に等距離な感じだが、情が薄いのかもしれない。セネガルで会う人たちは個性的。音楽奏者ドゥドゥは著者の描く神様的人物そのもの。純粋だけど怠惰な護衛役の青年。お節介なトッカリ姐さん。別れが本当に悲しい。

2019/09/24

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