黄金の街 (上) (講談社文庫 ふ 78-1)
黄金の街 (上) (講談社文庫 ふ 78-1) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
原題が"Lash Life"で邦題は『黄金の街』(由来は作中のイディッシュ語)。もちろん、ニューヨークのことなのだが、諧謔か反語であるとしか思えない。でも、作者はそんなニューヨークを愛しているだろう。ことに、小説の舞台に選んだロウワー・イーストサイドを。そこには実に雑多な人種が住んでいるし、ユダヤ系の人たちもまた多い。作中にもシナゴーグの倒壊が描かれている。本書は警察小説なのだろうが、プロットの展開は、もうあきれるほどに遅い。事件そのものも、ありふれた殺人事件だ。その地味さにこそ真骨頂があるのだろうか。
2017/02/03
遥かなる想い
ニューヨークを舞台にした 物語である。 深夜に発生した殺人事件… 上巻の大半は エリックの取り調べ室の シーンだが… 正直 ミステリーとして 読むには 単調過ぎて、退屈である。 タイトル通り、ニューヨークに住む多様な 人々を 描こうとしたのだろうが、この上巻が 下巻で どう展開するのか 楽しみ。
2019/10/01
ケイ
味のある警察小説。NY、ブルックリン。雑多な移民たち。移民の新旧交替。何事にも完全な白黒は付けられない街。最初はバラバラだった話がひとつになる時に事件が起こる。この作者は、どんな読者を想定しているのか?読者が理解しないかもしれない文学的名作が文章の合間に挟まれる。『ゼーノの苦悶』だとか『青い目が欲しい』だとか。特にその本のタイトルが見えている場所に住む人達がそんな本を読むとは思えないのだが、本の内容が意味するところを考えると興味深い。
2018/10/14
NAO
ニューヨーク、ロウアー・イースト・サイド、かつて黄金の未来を夢見た移民たちが最初に住み着いた街。その路上で、深夜、バーテンダーが射殺された。なかなか進まない捜査の途上に見えてくるのは、その街に住む人々の様々な問題。もはや、ニューヨークは黄金の街ではないのか。
2017/12/16
ちえ
ニューヨーク、ロウアー・イースト・サイド。ユダヤ系、ヨーロッパ系、中国系他、様々な移民が集って住む地域で深夜に3人で歩いていたうちの一人が射殺される。上巻はほぼ取調室の様子でなかなか入り込めなかったが、終盤近くやっと動き出す。犯人探しがメインではないだろう。下巻でどんな展開になるか楽しみ。◆ガーディアン1000◆
2023/12/07
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