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虚ろ舟 泣きの銀次参之章 (講談社文庫 う 44-9)

虚ろ舟 泣きの銀次参之章 (講談社文庫 う 44-9)

虚ろ舟 泣きの銀次参之章 (講談社文庫 う 44-9)

作家
宇江佐真理
出版社
講談社
発売日
2013-04-12
ISBN
9784062775212
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虚ろ舟 泣きの銀次参之章 (講談社文庫 う 44-9) / 感想・レビュー

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ぶち

第2巻からまたも10年が過ぎました。銀次も五十の齢になっています。この巻でも銀次は泣きますが、今までの泣きとは少し質が異なってきています。50歳という人生経験、長年の岡っ引きの経験、子の父となり長女を嫁がせた経験...."泣き"の質が変わってくるのも当然だと思います。家族との関わり方にも悲哀があるものです。銀次は父親として、夫として泣くことが格段に増えました。読んでいて、その泣いている姿に心を揺さぶられました。余韻の残る結末で、シリーズの続きが読みたいとも思いますが、それも叶いません....残念です。

2022/07/08

じいじ

人生60年と言われた江戸時代。晩年を迎えた〈泣きの銀次〉の最終章は、三女一男の子宝に恵まれた銀次一家に幸いが訪れます。18歳になった長女の嫁入りが決まります。娘を嫁に出す父親の本音を、実に上手く宇江佐さんは書き上げています。思わず胸にジーンときてしまいました。父娘愛(おやこ愛)に歳を忘れてどっぷりと浸りました。

2023/01/08

佐々陽太朗(K.Tsubota)

『虚ろ舟』がUFOのことだと分かったときは違和感がありました。江戸時代の物語に登場させる必要があるのかと。しかし実際、江戸時代の文献に虚ろ舟は描き残されているらしいと知り了見した。さて、いよいよ泣きの銀次も最終章。心が晴れるハッピーエンドを期待したが、さにあらず。苦い結末となった。捕り物はいくら真剣に調べたところで全てが審らかになるわけではない。世の出来事に科学や論理で説明できないことは多い。人はそうした分からないこと、思い通りにならないことを了見して生きるしかないということか。己の正しいと信じた道を。

2013/04/25

ふじさん

泣きの銀次シリーズ三作目、最終章。銀次の長女おいちの祝言を挙げるシーンから始まり、一流の腕を持った絵師で壊疽で左足を切断した和平と銀次の次女お次の切なく悲しい恋と江戸のUFO虚ろ舟の騒動を絡めて描いた作品。結末は悲しく、銀次を初め周りの人々も年を取り人生の終わりが迎え、読んでいても他人事には思えない。何か物哀しさが後に残った。

2020/08/22

kei302

常に不穏な気配が漂う泣きの銀次シリーズ。宇江佐作品らしい厳しい終わり方。自分と自分の家族を第一に考えてしまった言動が招いた哀しい結末がいくつも出てくる。このほの暗さ、わりと好きです。

2022/05/08

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