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八月からの手紙 (講談社文庫 と 55-1)

八月からの手紙 (講談社文庫 と 55-1)

八月からの手紙 (講談社文庫 と 55-1)

作家
堂場瞬一
出版社
講談社
発売日
2013-05-15
ISBN
9784062775458
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八月からの手紙 (講談社文庫 と 55-1) / 感想・レビュー

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Hideto-S@仮想書店 月舟書房

そう、俺達はつながっている。日本とかアメリカじゃなく『野球の国』で。俺達は同じ国で生きている……。1946年、戦後間もない東京で新しい職業リーグ創設の夢に賭ける男たち。そのキーマンとして招かれた日系二世の矢尾。戦前の日本で川上の好敵手と謳われたアンダースローは、戦時中『引き裂かれた二つの故郷』に翻弄された。日系人を集めた収容所で絶望の淵に追い詰められた彼を支えたのは白球の記憶……人種の壁に阻まれた世界最高のスラッガーとの友情だった。実在した『日本リーグ』や『ニグロリーグ』に想を得て描かれる男たちのドラマ。

2016/02/21

ちょこまーぶる

感動的で数回目頭を押さえてしまう一冊でした。戦後の復興期のプロの野球リーグを作るために奮闘する話なんですが、そこには戦争の影響が深い影を落としていたことが、見事に表現されていたと思いましたね。戦前に運命的な出会いをしていて、新しい野球リーグで監督を任されることになった矢尾とニグロリーグという黒人リーグを牽引していたギブソンの友情には、幾度となく感動させられました。また、人種差別と戦争の二つのテーマを見事に表現されていたと思い、映像でも見たくなりましたね。とにかく、私にとっては、記憶に残る一冊となりました。

2016/01/30

ミカママ

戦時中の日系人収容所のことは、近年いろいろな作家さんの作品で読んでいたのと、最近担当している3年生の読本で「ジャッキー・ロビンソン」のことを読んだばかりで、タイムリーだった。おかげですんなりのめりこめたのだけど、情況的にちょっとありそうもないかな、というのと、ラストが…。堂場さんらしく、もっとカラッと〆て欲しかったなぁ。

2014/12/12

はたっぴ

敗戦から一年。「金のためじゃないんだ。日本はきっと立ち直る。そのために皆、必死に働いている。人の心を癒すのは娯楽なんだよ。新しい娯楽が必要なんだ」そんな藤倉の熱意に打たれて「日本リーグ」を立ち上げた男達の物語。主人公・矢尾の出自(日系二世)により、ニグロリーグも絡み、収容所、白人vs黒人、国籍、差別といったキーワードで、ストーリーが膨らんでいく面白さに没頭。人種や国境を越えてギブソンとの友情を育むシーンでは何度も気持ちが高ぶった。歴史の重みを感じる結末にも驚愕。著者の今作品への熱い思いを受け止めたい。

2016/05/31

nakanaka

初の堂場作品。いや~面白かったー。序盤は展開が漫画っぽいなと思ったりもしたがジョシュ・ギブソンやサチェル・ペイジといった実在の野球殿堂入りの偉人が登場してくるとどんどん引き込まれた。特に主人公・矢尾とギブソンの対決は手に汗握る展開。決め球は先日のプレミア12での牧田選手が頭に浮かんだ。戦争や人種差別に翻弄される男たちがリアルに描写されていて野球以外の人間関係も飽きさせない。ピークを過ぎたスポーツ選手が抱く若手選手への嫉妬や捨て切れないプライドは妙に納得出来て涙を誘う。野球好きには堪りませんな。

2015/12/02

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