シンセミア(上) (講談社文庫 あ 86-6)
シンセミア(上) (講談社文庫 あ 86-6) / 感想・レビュー
かみぶくろ
久々に、圧巻、って感じの本に出会えた。
2017/03/27
Y2K☮
著者の三種の神器「ロリコン」「盗撮」「ドラッグ」が過去最大規模のキモさで炸裂する大作群像劇。ただ同じ神町サーガの超傑作「ピストルズ」の菖蒲四姉妹みたいな軸になる引力を持ったキャラが不在。全員変態だから各人の顔も浮かばない。現実事件とのリンクも弱い。秋葉原のあれを予見していたかの様なエピソードはかなりのインパクトだが、よくよく考えたら「インディヴィジュアル・プロジェクション」にもそっくりな場面があった。これは苦手だが阿部和重はもっと読みたいという人には「グランド・フィナーレ」と「ピストルズ」をお勧めします。
2015/04/23
ソングライン
東北地方にある神町、そんな不遜にも思える名前の町の夏、3つの死亡事件が起こります。産廃処分場建設反対派の教師の自殺、車好きの青年の突然の心臓死、そして老人の射殺事件。物語は戦後、神町を支配してきた二つの一族と盗撮を趣味とする地元の若者のグループの行動を描きつつ、各自の欲望とその心理を執拗に語っていきます。登場人物の自己本位な行動と心理に嫌気がさしながらも、3つの死にはどんな関係があるのか、悪は崩壊するのだろうかと読みすすめました。下巻へ。
2020/11/07
fseigojp
結構辛口批評が多い本作品 一種の露悪ユーモア作品と考えるとゴーゴリ的で面白いと思うのですが。。。。
2017/11/03
ちぇけら
自殺、事故、行方不明、盗撮、不倫、カーセックス、淫行…不穏な空気が神町を包み込んでいる。閉塞的な田舎の町を舞台に、様々な断片が呈示された。肉欲に振り切りこじれきった人間関係を描くのはほんとうに巧い。下巻も楽しみ。
2018/04/16
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