親鸞 激動篇(下) (講談社文庫 い 1-80)
親鸞 激動篇(下) (講談社文庫 い 1-80) / 感想・レビュー
naoっぴ
表紙とタイトルから受ける印象とは違い、リーダビリティに富んだエンタメ小説。下巻は親鸞が念仏を極める中で懊悩する姿が描かれる。よき夫にもよき父にもなれず、念仏の意義も未だ見えず、かといって愚者にもなれず、自分の至らなさに悩み苦しむ親鸞。己は一介のちっぽけな凡夫でしかないのに、人の縁や偶然に支えられて不思議と運命が動いていく。これこそが他力ということなのだろう。物語は活劇風でやや漫画的な雰囲気がありながら、念仏や他力についてなるほどと思うことは多い。とはいえ親鸞自身も未だ理解に至らぬまま。完結編でどうなるか。
2018/05/11
財布にジャック
あまりにも普通のオジサンである親鸞様が、だんだん心配になってきました。迷いに迷って、この巻の終わりではもう60歳になってしまいました。親鸞よりも、むしろ妻の恵信の方が女性にしては一本筋が通っていて素敵な人物だと感じました。完結篇を読めるのは、ずっとずっと先になりそうですが、親鸞様が最後にはビシッと決めてくれることを信じて文庫化を楽しみに待ちます。
2013/08/19
ちゃとら
五木寛之さんの本は読み始めると面白くてサクサク進む。親鸞は、比叡山を途中で降りて、結婚もし子沢山の父となる。仏道を歩むには異例の経歴。エリートでは無く、完璧でも無く、強靭でもない。人間臭いのかな〜⁈完結編に進む。
2019/03/24
ともとも
世の中の、人の光と闇、善と悪の間で、一生懸命に生きていく人々、「念仏」を広め、自問自答を繰り返しながらも真摯に教えや人と向き合っていく親鸞、それを慕い支えていく人々、越後、新たなる関東での出会い、旅立ちと別れ、さらには懐かしい再会、そして因縁が物語を展開していく。人間味、死生観を感じながらも、念仏を通して人間同士の熱い絆、そしてそれが「救い」へと繋がっていく。その素晴らしさと凄さを感じながらも、いかなる時でも流されず、たくましく、綺麗に堂々と生きる勇気を与えてくれるような1冊で良かったです。
2015/07/13
杏仁
【図書館本】親鸞の関東での生活。みんな歳をとってきたのが節々で感じられて、少しさみしいです。恵信と親鸞との喧嘩は読み応えありました。完結編は買いにいこうかな。
2014/10/28
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