感染宣告 エイズウィルスに人生を変えられた人々の物語 (講談社文庫 い 130-1)
感染宣告 エイズウィルスに人生を変えられた人々の物語 (講談社文庫 い 130-1) / 感想・レビュー
キムチ
筆者が2年の取材を経て、全力投球で書いたルポ。我が国にエイズが登場して四半世紀、私も含めて無知、偏見差別が多い。人間である前に生物故の生殖と性欲。解き放たれることのないそれにまるで神が下した鉄槌のようなこの病。ルポには様々な患者とパートナーと家族が登場する。彼彼女らに肉薄して生の声を聴き続けて文章化。生きることの苦悩が蠢き、己の根源に立ち向かい、どうしようもない自己責任を突き付けられ・・もがき苦しんで行く。とはいえパートナーや生まれた子供には全く責任がなく、文字通り人生を振り回される。知って・・なお哀しい
2014/04/02
ヨクト
HIVそしてエイズ、どれだけ知っているだろうか。今は治療を行えば完治はできなくとも、抑えることはできる。だが、そこに性行為があるから人々の人生に大きな影響を与えるのだ。恋人がHIV感染者だったらどう受け止めるのか。HIV感染者は自分が汚れ、人と関わることに自信を無くすこともある。男女にとって大切なところに忍び込んでくるのだ。そして精神はエイズの幻想に翻弄される。母子感染はほとんどない。SEXでの感染も1%以下。事実を知って、怖さも知って、ちゃんと知って。
2013/07/08
柳田
ノンフィクションの圧倒的面白さ。しかし登場する方々はHIVの判明後もすぐに恋人ができて、悲劇のヒロインになりたくて陽性者と付き合う女がいるとか書いてありたまげた。HIVになってかえって出会いができた、みたいなことを言う人もいて。恋人位なら相手に言わなくてもいいという看護師とか、殺人教唆じゃないの?まだ途中だが、エイズノイローゼになる人の話などもあれば興味深そうだが、取材には応じないだろう。実際当事者になったら0.001%のリスクで気が気ではなくなるんだろうが、そう思うとふつうに生活していたって危険はある。
2018/08/09
mari
10ページほど読んで、再読であることに気づく。
2014/07/03
akinbo511
HIVに感染した人たちの記録。ノンフィクションなのだけど、まるで小説を読むようにどんどん引き込まれて読んでしまう石井さんの文章には感心する。随所にHIVとエイズの医学的な知識が散りばめてあり、改めて勉強になった。ここで取り上げているのは、ほんの数名なのだけど、彼らのパートナー(妻、夫、同性愛の相手)、両親へのインタビューもあり、感染者の人生の一部を垣間見ることができた。
2013/07/24
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