スーツケースの中の少年 (講談社文庫 こ 82-1)
スーツケースの中の少年 (講談社文庫 こ 82-1) / 感想・レビュー
キムチ
感想は主観…と思いつつ他者の意見は気になるもの。出だしから、泡の様にパラパラ登場してくる人物。作者の意図が掴めぬまま、暫く乗り切れず。北欧ものによくある薬、児童売買、虐待と出揃い、うーん。投げ出そうかなと思って、終盤、漸く着地。ニーナとその夫、子供は余りにもバラバラ。看護師仲間、各人、頸城を引きずってる人生だし。こんな各人の想いで家庭生活は?と国情の差異を酷く感じた。ネットに出てくるオッサレ-な金髪美人も一皮むけばなんて。白味を帯びた金髪の男児の将来は…。リトアニアという馴染みがない国情も思いを馳せた。
2023/12/12
白のヒメ
あの「ミレニアム」と賞を争ったという作家の小説。「親友に頼まれて駅のコインロッカーに荷物を取りに行ったら、なんと中には裸の幼い少年が入っていた」と衝撃的に物語が始まる。なんでなんで?と読み進めれば進めるほど謎は深まり、気が付けば450ページを一気読み。ちょっと視点がぶつぶつ切れて読みづらさはあるけれど、評判に納得のエンタメ作品でした。しかし、北欧の地名や人名って頭に入りにくいな。読みなれてないせいなんでしょうね。
2017/11/29
KAZOO
お気にいりさんの感想を読んで手に取ってみました。確かに北欧のミステリーというかサスペンスというか、ほかの国とは若干感覚が異なる感じがします。ミレニアムもそうなのですが、その国が醸し出すイメージにあっているような気がします。福祉などでは先進的といわれる北欧の現在の様々な問題点がいろいろ浮き上がってくる感じがします。
2014/05/06
Satoshi
ミレニアムと賞を争った作品らしいが、それも頷ける面白さ。スーツケース内に閉じ込められた少年を保護した看護師と息子を失った母親、誘拐犯、首謀者の視点が入れ替わり、事件が解決に向けて進んでいく。文章が次から次へと展開するので、読んでいて飽きない作りになっている。事件の結末は読み始めた段階から分かるが、本作はミステリーではなく、子供を助けようとする二人の女性の冒険小説である。女性の強さを感じさせられる傑作だと思う。
2017/09/09
空猫
題名通り、「スーツケースの中に入れられた少年」から話は始まります。何が起こったか解らないまま登場人物がどんどん増え、そして北欧の闇の描写が挟まれながらの展開。多分読み手の気持ちの問題のせいだろうがイマイチのめり込めませんでした。面白いんだけどね。(>_<)…この国はどうなっているのか?ナターシャのような若い娘が在留許可を得るために野獣のような男に身を売らなければならないなんて。(p48)北欧ミステリはジメジメと陰湿なのだ。
2015/06/03
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