新装版 ハゲタカ(下) (講談社文庫 ま 54-9)
新装版 ハゲタカ(下) (講談社文庫 ま 54-9) / 感想・レビュー
W-G
続編ありきの今読めば、この結末も消化不良にはならず、むしろ先が気になるもの。刊行直後であったら微妙な気持ちになっただろう。なんか山場もなくいきなり復讐の幕が下りたな、という唐突感と、鷲津と貴子の気持ちの盛り上がりがあまり上手く演出されておらず、一気に好きになりすぎじゃね?というあたりが引っかかるところで、それ以外の対企業の権謀術数は流石。太陽製菓の創業一族が面白すぎる面子だったので、その後をもうちょっと見たかった。改めて読んで気づいたところとして、芝野がそこまで鷲津を毛嫌いする理由も弱いかなというところ。
2019/09/20
遥かなる想い
下巻は企業再生を軸に鷲津、芝野、貴子の 人生がクロスしていく。バブルがはじけた あの時代 実際に日本であった話なのかも しれない..企業買収、構造改革の後の企業再生 をどうしていくのか。 読むべき経済小説第1位に選ばれただけあって、 示唆に富んだ内容が満載な気がする。 金融迷走の10年..鮮やかに蘇る、そんな気がする物語だった。
2016/03/06
KAZOO
前半にも登場しますが、後半は栃木の老舗ホテルや地場の銀行などある意味予測がつきます。そのほか当時の銀行などが倒産してハゲタカファンドの餌食になったことなどがよくわかります。またこの主人公がある復讐のためにこの世界に身を置いたということが底流に流れていて最後に明かされます。私は楽しめました。
2017/05/29
修一朗
あの頃のりそな銀行と足利銀行の処理を思い出しながら読み進めて,あーこんなんだったのかもなぁと当時の舞台裏をのぞき込むような気分。なにせ足利在住なだけに感情移入も相当なものだ。東ハトもあったなぁと実際に起きた事案をなぞっていくかのよう。読んだ後に当時の竹中大臣と森山真弓議員のやり取りをもう一度見てみると,こういうせめぎあいをしていたのか,竹中大臣恨まれるわけだわ―と改めて理解できた。ファンド側をヒーローのように描くのかと思ったらそうでもないのね,これからTVを見るつもり。引き続きハゲタカⅡへ…
2018/07/24
aquamarine
知っているようでいて、実はよくわかっていない金融の動き。経営破綻に陥った老舗の菓子メーカーやホテル…創業者や社長が会社のお金で豪華な生活をしているのは実は横領なのだと、本人たちは気づいていません。会社とは誰のものでしょう。企業買収、再生…ハゲタカ外資の鷲津の手腕は実に鮮やかです。元銀行員・芝野健夫、老舗ホテルオーナーの娘・松平貴子、二人と出会って徐々に鷲津自身のことが見えてくるともはやページをめくる手が止まらないほどでした。こういう時代だったのですね…。この後のそれぞれの行く末はどうなったのでしょう。
2018/07/12
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