歌うクジラ(上) (講談社文庫 む 3-31)
歌うクジラ(上) (講談社文庫 む 3-31) / 感想・レビュー
NAO
再読。近未来の日本。国民は、最上層、上層、中間層、下層、最下層とレベル分けされていて、最上層の人々以外の他の階級の人々は、自分たち以外の階級の人たちの存在も知らされず、決められた地域で決められた生活だけを繰り返している。彼らは食品に混ぜこまれた薬剤で精神コントロールされている。その最下層地区に住むアキラが、ある使命を授けられ、居住区を脱出。次々と明らかになっていく異様な世界の全体像。アキラはどこに向かっていくのか。
2020/09/28
眠る山猫屋
大好物なディストピア・ロードノベルなのに手こずってる…。陽気な(?)タイトルに反して、絶望しかないミライだからかなぁ。そもそも〝クジラから発見された不老不死遺伝子〟という原点以外、クジラは出てこないしさ。冒険というより逃避行な前半は、異文化ディスコミュニケーション表記に辟易し、中盤以降になってようやく波に乗れてきた感じ。助詞が混乱し、敬語が経済活動的に無駄として排除された未来というのは、考えてみれば面白い。色々な〝美しき日本文化〟を喪失した時代を主人公アキラは生きているのだなぁ。
2020/04/30
ソラ
普段は読んでない作家さんだけれどもタイトルと舞台設定がおもしろそうだったので購入。やっぱり村上龍さんの他作品を読んだときも思ったけど字が詰まってて読みにくいのは相変わらず。むやみに行間増やせとは言わないけどさ
2013/11/09
501
不老不死の遺伝子を発見した未来のディストピア小説。文化経済効率化運動により超格差社会が生まれ、階層の住み分けこそが社会の平安を築くという世界。この全体主義的な情報の統制は"一九八四年"や"すばらしい新世界"にも通じる。主人公はある目的を成すため最下位層の"新出島"から脱走し上層部を目指す。上巻は下、中階層までで、下巻で到達する上層部がどのように描かれるのか楽しみ。敬語の喪失、棒職の普及、助詞を崩した会話などが成立した理屈が力技なのは村上龍ワールド。不老不死の遺伝子の発見元が聖歌を歌うクジラなのも龍らしい。
2015/05/31
James Hayashi
毎日芸術賞受賞作。近未来的でありながら面白みがわからないし、残念ながらついていけませんでした。
2018/05/19
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