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歌うクジラ(下) (講談社文庫 む 3-32)

歌うクジラ(下) (講談社文庫 む 3-32)

歌うクジラ(下) (講談社文庫 む 3-32)

作家
村上龍
出版社
講談社
発売日
2013-10-16
ISBN
9784062776769
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歌うクジラ(下) (講談社文庫 む 3-32) / 感想・レビュー

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NAO

今世界各国で格差社会の問題が起こっているが、この作品に描かれているのは、究極の格差社会だ。求め続け、求め続けて、その結果がまさか本当にこんな風だとは思わないけれども、それでも、その先には虚しいものしかないのではないかと作家は訴えている。本当にそうなのだろうなあと思うのは、有り余るほどの金と権力を持たない者だけなのか。権力を、金をただひたすらに追い求める者たちにとっては、そんな声も届かないのか。  

2020/09/29

眠る山猫屋

意図的なタイトル詐欺(笑)クジラ出てこないなと思ったら、そうきたか。枯葉剤への世間の目を逸らす為の捕鯨禁止という話みたいだ。ディストピアを旅してきたアキラは最後には一人宇宙へ。絶望に継ぐ絶望、流されているようにも見えるアキラはキチンとした選択の出来る子だった。召喚者ヨシマツとのせめぎ合いは、実に龍さんらしい迫力溢れる闘争だった。絶望への疾走感(破滅へ、ではない)は村上龍作品の中では控え目だと思うが、宇宙での展開のスピード感は流石。アキラ、きっとネギダール姐さんは来てくれるよ。

2020/05/04

ソラ

作品内容は絶対面白はずなんだけど、文章が馴染めなくてうまいこと作品世界に入れなかった。敗北感が半端ない。

2013/11/16

鈴木拓

未来の人間社会──物理的な意味での不老長寿を手に入れた人間だが、社会は成熟するよりもむしろ荒廃し、人の心は成長しないまま、よりエゴが露出した社会となっていた。犯罪者とその子孫たちを隔離し、それ以外の場所で理想的な社会を作ろうとした試みから見えるのは、結局、地球にとってもっとも害のあるものは人間かもしれないという悲しい答えなのかもしれない。

2021/11/11

かえる王子、福岡を救う

格差社会、少子化、性犯罪、固有文化の喪失・均一化などの現代社会が抱える問題を、それを克服したはずの未来社会の崩壊を通して上巻以上にリアリスティックに描かれる。物語の展開は割と凡庸。しかし、緻密な描写を通して描かれる未来社会の受け止め方次第で、この小説は凡庸な作品から極上のエンターテイメントに代わる。「半島を出よ」ほどではないが、自分はかなり楽しめた。

2014/06/08

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