砂の王国(下) (講談社文庫 お 119-2)
砂の王国(下) (講談社文庫 お 119-2) / 感想・レビュー
zero1
ホームレス3人が作った宗教団体はどうなった?下巻も長いが、先が気になり読めてしまう。多くの信者を集めたものの、木島と小山内に亀裂が。特に女優の吉江が入会したあたりから溝が深くなる。人は金を目の前にすると、目的と感謝の気持ちを忘れてしまう。そして、組織では多数派を常に見据えていないと追い出される。文字通り木島が望んだのは砂で作ったバベルの塔だ。人を信じ込ませるための話術、コールド(ホット)リーディングやバーナム効果の話は興味深い。正直、仲村の正体と結末は消化不良。伏線も放置。今のところ続編の話は聞かない。
2019/03/24
ehirano1
終章から怒涛の加速!やっぱりこうなりましたか・・・・・(ハナから明るい未来なんてなかった)。エンディングからは続編の匂いがプンプンします。期待して待っています。
2019/01/06
しんたろー
下巻は新興宗教の裏側を覗くような面白さで読む手が止まらない。信者たちの派閥争いや有名女優の入団など、現実にあった事を見せられているようなリアル感が楽しい。併せて主人公・山崎の孤独や苦悩に共感できて頷く事も多かった。仲村が変節する心情変化の描写がないのと、山崎・妻の動向がハッキリしないまま終わったこと等、描き足りていないと感じる部分が散見するのが残念だが、終盤100ページの緊迫するサスペンス感は秀逸。山崎の到達点は物悲しいが解放感もあって、読み手に委ねる終わり方も嫌いではない。出来れば続編を書いて欲しい♬
2019/12/24
nobby
「どこで間違ってしまったんだろう」虚しく呟かれる言葉が全てを物語る…それがあくまで合法的なビジネスであっても、教義を定めての拠り所になっても、一度狂信的に走り出したらもう止まらない…「僕をどうしたいの?」仕立てた教祖が、いつぞやか虚像から思わぬ覚醒そして暴走止められないのが痛々しかった…いわゆる魔が差したとか何かに縋りたいという些細な想いが、いつのまにか奇跡への信心が膨れ上がっている…その裏に蔓延る大金や立場なんて乗り越えて、自ら信じた証を守ろうとする結束は恐るべし!ラスト見つけた百円に安堵でよいのかな…
2020/11/24
納間田 圭
宗教法人の生態や成り立ちってこんな感じかなぁーと参考。上巻でインチキ辻占い師、もとイケメン俳優、もと証券会社トップセールスマンのホームレスの3人組がそれぞれの特技を生かし、新興宗教団体「大地の会」を発足。下巻はそれからの話しで、陶酔し洗脳されていく熱狂的な信者たち。美人芸能人や人気アイドルの新たな加入で更に拍車がかかり絶好調。何もかもが上手く行っていた。が、しかし案の定、少しづつ亀裂が入ってくるのは世に常。それは創業者3人の疑心暗鬼から。最終は…もとの鞘に落ち着いてしまう…顛末。砂城のように消えていった
2022/12/30
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