部屋 下・アウトサイド (講談社文庫 と 53-2)
部屋 下・アウトサイド (講談社文庫 と 53-2) / 感想・レビュー
mint-s
部屋から脱出し、やっと外に出ることができた2人。外は自由で楽しいはずだったのに…。「窓は誰でも使っていいの?」「あの人間は本物なの?」何もかもが初めてでパニックになるジャック。世間の好奇の目に晒され外の世界でジャックを育てることの不安から心を病んでしまうママ。それでも無邪気なジャックの存在がママを助け、ママの愛がジャックを強くたくましく成長させていくのだと思う。最後の部屋とお別れする場面は切なさと希望を感じました。読友さんが映画も良かったと教えてくださったのでぜひ観たいと思います(^^)
2017/12/20
橘
下巻もとても面白かったです。《へや》の外の世界はジャックとママを不安定にしましたが、一生懸命理解していくジャックの姿が胸に刺さります。未知の世界でも、もがきながらも生きていかねば、と思わされました。ラストにしんみりしました。ぎりじいが良い人です。映画の公開が楽しみです。観たいです。
2016/01/23
かんやん
内から外へ。外へ入る。未知なるものの発見の旅とは、単なる移動ではなく、新たな視点の獲得である、と言った作家がいなかっただろうか。この小説が素晴らしいなと思えるのは、コペルニクス的とも言える認識の転換を五歳児の視点から描き切っているから。空や海を見て、言葉を学び直す。これは映画では決して表現できないこと。一見すかすかでほとんど会話で成り立っているような作品なのに、その細部はあまりにも濃密である。
2022/01/22
アズマ
この話は脱出して終わりにならないところが好きです。お母さんとジャックとの差がだんだんた悲しくなってきます。ジャックは今後それまでのことをどう受け止めるようになっていくのかが気になります。
2019/12/04
なるみ(旧Narumi)
2016年4月に公開予定の映画「ROOM」。偶然映画の情報をテレビで観て、原作にチャレンジしてみました。7年前に19歳で誘拐・監禁された母、「へや」で生まれ育った5歳のジャック。ジャックの視点から、下巻は脱出後の二人を描きます。一番心に残ったのは訳者後書きに述べられていた著者の一言。「わたしは実際の犯罪についても、犯人の凶悪性に焦点をあてたりして書きたかったわけではありません。閉ざされた困難な状況で生き抜こうとする母と子の姿を書きたかったのです。※コメント欄へ続きますm(_ _)m
2016/01/30
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