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なぞの転校生 (講談社文庫 ま 3-9)

なぞの転校生 (講談社文庫 ま 3-9)

なぞの転校生 (講談社文庫 ま 3-9)

作家
眉村卓
出版社
講談社
発売日
2013-12-13
ISBN
9784062777544
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なぞの転校生 (講談社文庫 ま 3-9) / 感想・レビュー

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夢追人009

眉村卓さんの初のSFジュブナイル小説の名作です。検索しますと本作は1975年にNHKでテレビドラマが放映され、2014年にもテレビ東京でドラマ化されていたのですね。私はどちらも見ていなくて今回が初読でしたが例えるなら「ウルトラQ」のエピソードに似たムードの古き良き時代の古典SF物語ですね。細かい事ですが原作小説の舞台は大阪の中学なのにドラマでは東京に変更されていまして関西人の私としては少し悔しいですね。それはともかく本書は核戦争という重いテーマでユーモアは皆無ですが真っ直ぐな生真面目さを強く感じましたね。

2021/11/22

zero1

50年以上前の1967年に出たSFで、ある年代以上の方は懐かしく感じるはず。大阪の中2、浩一のクラスに山沢典夫という転校生が来た。彼は勉強や運動が完璧。浩一の住む団地に引っ越してきた。しかし同じ日に転校してきた生徒たちと騒動を起こす。彼らは何者なのか?私は中学生の時に初めて読んだが、結末については勘違いしていた。私の知っている話には続きがあった。我々は、違う人を受け入れることができるか?もし出来ないのなら、今ある差別は永遠になくならない。図書館で見かけ思わず読んだ。大阪が舞台なのに標準語なのはご愛嬌。

2019/01/27

なる

主人公が中学生、読者対象もおそらくそれくらいを意識して書かれたジュブナイル小説なようなので文章もシンプルでとても読みやすかった。主人公の住む家の隣に引っ越してきた一家、その息子は目鼻立ちが整って何でも器用にこなす謎の転校生。彼がやってきた時から教室は奇妙なことに巻き込まれて行く、という割とスタンダードな内容の中に戦争や環境問題、さらに民族間の不寛容みたいな問題を入れ込んでいるのである種お行儀の良い小説ではある。『侵された都市』の方がやや硬派だろうか。時空を超える、という内容が得意なのかもしれない。

2022/06/06

巨峰

おいらの地元を舞台にしたSF少年少女小説の古典。ああこの団地は今は建て替えられたあそこだろうなとか、広一たちが受験しようとしている北畠高校って住高やんなあとか、いろいろ思ってしまう。大人が大人であった時代のお話で、子供が親や先生を信頼しているのが現代小説とは違うな。信頼されるから大人であろうともするのだろう。深夜に放送されたテレビドラマは近年稀にみる名作だった。

2014/04/13

fukumasagami

一つは、この舞台が学校と団地であり、学校はかつての学校らしく共同体として機能し、団地は各戸の結びつきは弱いながらも新しい生活様式としての共通意識みたいなものがあったけれども、現代はまったく違ってきているらしいーということだ。それも単にばらばらになっただけではなく、自分たちとは異なるものを(安全のために?)排除しながら、しかし同類が仲間としての結束を持つわけでもない、という様相を強めているのである。こうした人間どうしの関係は、これからどうなるのだろう。

2024/02/13

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