愛と日本語の惑乱 (講談社文庫 し 31-43)
愛と日本語の惑乱 (講談社文庫 し 31-43) / 感想・レビュー
ちさと
代表作「蕎麦ときしめん」に出会って以降のファンです。珍しく恋愛物語を絡めた長編小説の形式になっていますが、著者の言葉への愛情と執着は溢れんばかりに伝わってきます。アレコレあって主人公は心が病んでしまい、言葉が壊れるという症状を発症する。言葉はどこにあるのか、というのが命題なんですけど、主人公が著者の想いを代弁しているという仕掛けになっています。言葉が心を揺さぶり、心が脳を刺激する。言葉はたんなる記号だと分かっていても、心が壊れると脳が壊れてしまうこともあるんですよね。
2021/03/14
katsubek
心はどこにあるのかという問題は、なかなか面白い。途中までは、清水さんのエッセイを読んでいるような感じ。でも、あるところから後は、「どこに行くの?」と聞きたくなるような展開になった。
2015/11/19
RED FOX
駄洒落が止まらない病気が本当にあると知る(^^)脳と心と言葉にまつわるなんとも哀しい小説。勉強になるなあ。
2018/11/10
Kaz
用語委員会の日本語についての討論の場面が心に残りました。私も職業柄、言葉の細部を吟味することが多いのですが、指摘するのは意外と簡単で面白いのです。ただ、自分の言語をチェックされると、ボロボロだったりします。主人公の「言葉は時代とともに変化する」という趣旨の提言は、非常に考えさせられました。
2016/03/31
RED FOX
「若者言葉への批判者に万葉言葉でのツッコミ」「中国人名の日本読みと韓国人名の現地読み」・・・放送用語委員会での言葉に対する各委員のやりとりにニヤける。やっぱり清水ヨチノリは言葉の奇才だのう。
2016/07/22
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