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女の日時計 (講談社文庫 た 2-49)

女の日時計 (講談社文庫 た 2-49)

女の日時計 (講談社文庫 た 2-49)

作家
田辺聖子
出版社
講談社
発売日
2014-05-15
ISBN
9784062778053
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女の日時計 (講談社文庫 た 2-49) / 感想・レビュー

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優希

面白かったです。造り酒屋に嫁ぎ、穏やかな夫と不自由なく日々を過ごしていても、出会うときは出会ってしまうものだと思わされました。姑と義理の妹に挟まれ、窮屈ながらも充実した日々を壊したのは、突然現れた青年だったのですね。他の男性に惹かれ、心を掴んで欲しいと願うのは我儘なようですが、愛したいという気持ちの覚悟のように見えます。狂おしいほどの秘めた恋、それは自らの足で立てるからこそ抱く想いだったのかもしれません。

2018/04/29

優希

傑作とはこういう作品のことを言うのかと思いました。裕福な造り酒屋に嫁ぎ、優しい夫と何も不自由なく過ごしていた沙美子。それなりに充実した日々だったのでしょう。ただ、その安定も突然出会った男性によって揺らいでしまうのですね。他の男性に惹かれるのも、愛したいという想いの現れだと思います。狂おしいほど秘めた恋の行方にドキドキさせられました。それはきっと、自らの力で立てるからこその恋の想いだったのかもしれません。

2020/10/04

seri

たおやか。そんな日本語がふとよぎるような、情感豊かで美しい言葉で綴られる甘美と背徳の世界。気が付けば不安と恍惚の動悸で胸に潮が満ちている。夫とその家、しがらみがあるからこその力強い荒波への恐怖。恐怖への期待。女という生きものの業の深さを描き出す。でもきっと、女なら誰もがわかってしまう感情が葛藤が、ここにはあって。女って、なんて複雑で強かでおそろしい生きものなのか、そしてなんて傷付きやすく美しいふしぎな生きものなのか。いつかまた再読したら私はきっとまた違うことを思うはず。だって女は日が昇るたび、変わるから。

2014/07/16

さよちゃん

とっても久しぶりの田辺聖子さんの作品。私は、田辺聖子さんの恋愛小説が大好きです。ドロドロしてる恋愛モノでも、関西弁と、懐かしい昭和な所…でも、古い感じは無くて、今回も、沢山共感する部分があって、すっかり沙美子になり切って、ドキドキしながら読んでいました。沙美子だけでなく、それぞれの立場の女性達が、最後にはちゃんと自分の居場所が見つかって良かったです。結婚生活には、大きい波こそ無くても、何やかしら色々ある…でも、みんな乗り越えて成長するし、絆の深まるんだろうね(笑)さすが田辺聖子さん。勉強になりました。

2014/06/07

yui

名家に嫁いだ主人公、その姑や義妹、友人たちの女の恋愛模様が書かれた小説。簡単に言ってしまえば、浮気や不倫の苦悩の話ですが、田辺さんの手にかかれば不逞への嫌悪ばかりではなくなります。繊細な心の動きから、女性ならではの強情さまで上手く書かれています。ラストは切なくも女性の強さがよく表れていて、個人的には好きな終わり方でした。

2015/11/16

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