海賊とよばれた男(下) (講談社文庫 ひ 43-8)
海賊とよばれた男(下) (講談社文庫 ひ 43-8) / 感想・レビュー
mitei
最後は大往生で、主人公国岡鐵造の生涯を余すことなく描かれていた。特にメインの日照丸事件でのイランとの遣り取りは凄かった。このような日本人がいた事を余り知られてないのは逆に驚いた。そして日田さんの最期に最大限の恩に報いるようにあの手この手と動いた鐵造、知り合いにポンと6千円の大金を投資出来る日田さんがそれぞれ凄いなと思った。昔はそんな風に惚れ込んだ人物に全財産を投じる人がいたのかと驚くと同時に如何に今の日本人が自分のことしか見えてないなと残念な気持ちにもなった。
2015/12/15
徒花
さすがに上巻ほどの勢いはなくなっているが、物語のなかでも最大の盛り上がりどころ「日章丸事件」はやはりアツい。アメリカの石油資本や日本の官僚、さらにはイギリス、中東などさまざまな立場の人々の思惑が石油を巡って交錯する、本来であれば複雑怪奇な物語であるはずなのに、それを個人の物語として高いエンターテイメント性で魅せる手腕は確かなものだ。分厚い本だけど、おどろくほどサクサク読み進めていける。おススメ。
2016/07/03
zero1
下巻の山場は何といってもタンカーがイランに向け港を出る場面。 安全はまったく保障されてない。 それでも船長をはじめとする海の男たちは果敢に挑む。 彼らを支える家族の想いも涙を誘う。 日章丸事件は概要だけ知っていた。 だが、出光にこんなドラマがあったとは初めて知った。 開拓者というのは偉大だ。 自由貿易というのは当たり前に存在するのではない。 先人たちの挑戦がなければ成り立たないものだ。 この世には、まだまだ私の知らない世界がある。 読書により、未知の世界を知りたい。
2018/10/20
いおむ
自分が生まれた時は既にOPECがあり、この作品の「日章丸事件」すら知らなかった。イランとの関係も。一民間企業の宣伝と揶揄されかねない、また違う立場から見ると微妙な問題もありそうなので大々的に使えないのだろうけれど、きちんと後世に伝えていくべき話。更に「石油」についてもいろいろと勉強になりました。
2017/03/20
た〜
読みやすいけど薄くない、大人のラノベかな。残念なのは敵の現れ方、解決ともにちょっとご都合主義っぽいところと、一番お盛り上がりが第1章(上巻)に持ってきているところかな
2014/08/19
感想・レビューをもっと見る