水の柩 (講談社文庫 み 63-2)
水の柩 (講談社文庫 み 63-2) / 感想・レビュー
ミカママ
【ダム部課題】推薦してくれた部員(と日本から本を送ってくれた友人)に感謝。騙されました、見事に。しかもそのトリックには、あとがき読むまで気づかなかったという。ダム湖に沈んだ村が目の前に浮かんでくるような描写にも圧倒されて。「ぜんぶ忘れて、今日が1日目って気持ちでやり直す」笑子さん、前向きな言葉をありがとう。
2016/10/08
KAZOO
久しぶりの道尾さんの小説を読みました。ある少年の家族と友人たちがからむ物語でいじめなどの題材もあります。ただ以前に作者の読んだ本よりは印象が希薄な気がします。題名の意味はわかったのですが、もう少し人間関係や不思議なことなどがあると思ったのですが、雨の降ってくる様子が印象的でした。
2022/10/29
にいにい
いつもの道尾秀介さんとは、ちょっと違うが、読後感がいい作品だった。イジメを隠そうとする少女でも、暗闇には耐えれそうにない。友達の死という過去に囚われる祖母、普通から逃れたい少年。物語は、時系列がよくわからないように書かれていて混乱するが、意図が分かれば、納得できる。人生これからの少女と幕際の老婆、二人の苦悩は深く解決策はないが、最後は、逸夫の成長、敦子の乗り越え、いくの安寧によって光が見える。笑子の考え方。天泣の見事な美しさが印象に残る。
2014/09/12
相田うえお
★★★☆☆18059 なんか地味ぃ〜に登場人物が多いなぁ。その場面限りの人物が殆どだとは思うものの、名前が書かれていれば後々重要な人物だったりする事も稀にあるからチェックしまくってました。が、やっぱり主要な人物はそんなに多くはありません〜!脱線話を。小学生のときに遊び気分で友達とタイムカプセルを埋めた様な気がするんですが、何処に何を埋めたのか?メンバーは誰だったのかすら忘れてしまいました。軽いノリだとね〜。どっかのワン公みたいに、ご馳走を埋めて隠したはいいけど次の日には忘れてるのと一緒だね。
2018/07/27
イアン
★★★★★★☆☆☆☆いくつもの「嘘」が印象的な道尾秀介の長編。老舗旅館の長男・逸夫は、同級生の敦子が他の女子からいじめを受けていることを知る。敦子から「タイムカプセルに埋めた手紙を入れ替えること」を提案された逸夫は、ある想いを胸に計画に協力するが…。ダムに沈んだ村出身で認知症が進みつつある祖母の過去も交錯させながら、逸夫の計画は進行する。小さな驚きはあるものの、〝騙しの道尾〟と称される著者にしてはミステリ要素は薄く、どちらかと言えば純文学に近い印象を受けた。人間と蓑虫が似ているという発想は哲学的でもある。
2024/09/16
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