すかたん (講談社文庫 あ 119-3)
すかたん (講談社文庫 あ 119-3) / 感想・レビュー
酔拳
立派な武家の女房だった、主人公「知里」が、旦那をなくし、未亡人になり、旦那の赴任先「大阪」で一人で生きていく姿が美しい。手習い所の先生をくびになり、家賃が払えなくなったことで、もめているところを、青物問屋の若旦那「清太郎」に助けられたのをきっかけに、青物問屋の奥女中として働くことになるだが、青物問屋の中の事や、大阪の青物が詳しく書かれていて、おもしろかったです。また、「知里」と「清太郎」のじれったい恋模様も、よかったです。 「知里」が畑仕事をするところは、自分も土いじりをしたくなりました☆再読したいです
2018/02/26
hiro
記念の読メ読了登録1000冊目は、第3回Osaka Book One Projectのこの本を読むことにした。大阪人には大阪弁が大変心地よく、また江戸っ子の未亡人知里と、大坂の‘すかたん’な若旦那清太郎が、ツンデレのラブコメが時代小説でも十分成立することを証明してくれ、大変面白く読めた。松竹新喜劇の原作にもなりそうな作品だとも思った。そして、お家さん志乃の「仕事いうもんは片づけるもんとちゃいます。どない小さなことでも、取り組んだ物事の質をちょっとでも上げてこそ仕事や」という言葉は、特に心に残った。
2015/12/12
Atsushi
一年に一度、大阪へ出張するが未だにエスカレーターの「右立ち」に慣れることが出来ない。武士の妻として夫とともに任地大阪に移り住んだヒロイン知里。夫の急死により青物問屋で女中奉公をすることに。悪戦苦闘しながらも周囲に支えられ成長する姿が逞しかった。少々ご都合主義の面もあるが清太郎との恋が成就するラストに拍手喝采。おもろい一冊でした。
2018/04/18
佐々陽太朗(K.Tsubota)
最近、はまりつつある朝井まかて氏の小説。『花競べ』『ちゃんちゃら』に続きこれが三冊目。今のところこれが一番の好みです。問屋として野菜の生産者とどのように向き合うべきかを問う仕事小説として、邪な謀略により一旦は煮え湯を飲まされるものの最後には正しい者が勝つ勧善懲悪ものとして、いじいじするほどもどかしい恋愛ものとして、この小説は様々な顔を持つ極上のエンターテイメント時代小説である。次は『ぬけまいる』を読もう。どんなふうに楽しませてもらえるか、ワクワクする。
2015/10/14
ううち
読んでる方が少ないと思ったらKindle版に登録していると教えていただき、登録しなおし。ーーーー 大坂の青物問屋で女中奉公をすることになる未亡人の知里。江戸の人なのに大坂の食べ物も、慣れ親しんだ味とは違うとか言わずに、美味しそうにいただくのが好感度高い! 地元野菜を生かすなど、こうして流通などが整えられてきたのかなと思います。 青物狂い(笑)の若旦那、初競りでやりましたね。こっちが照れてしまった。
2020/09/09
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