血の裁き(下) (講談社文庫 こ 51-21)
血の裁き(下) (講談社文庫 こ 51-21) / 感想・レビュー
Willie the Wildcat
報復の連鎖。故に誰も幸福を得ることがなかった印象。意味深な終わり方も、エドワード罪への償いかもしれない。唯一の救いは、ジネタが願いを果たせたこと。一方、怒涛の展開の中、ベオグラードからの脱出が意外に拍子抜け。ブランコは、蛇のような執拗さが滲み出てたけどなぁ。加えて、義兄ビルへの吐露を含めた関係性がどうにもしっくりこない。どうせなら、娘アリスへ直接吐露する方が、償い深さを感じる気がする。とはいえ、テンポも良く、あっという間に読破。
2016/10/17
み
旧ユーゴスラビアの紛争を全く理解してないことに気が付きました(^^;そう前のことでもないのに。内容は重たいテーマなのに、軽く読めちゃうのが、ちと残念なり。
2023/05/14
真理そら
「ノンストップ・スリラー」って…ゴダードにそんなの求めてないし…と思っていたが、それほどノンストップでもスリラーでもなかった。平凡な男が巻き込まれてひどい経験をするというゴダードらしい作品。外科医・ハモンドが命を救った相手がセルビアの民兵組織のリーダーで、ジェノサイドや民族浄化の主犯?として裁かれることになる。ボスニア紛争という大きな問題と、家族の問題という個人的な問題が交錯しながら話が進んでいく。ハモンドが、他の男に走った妻とその相手、妻の兄にそこまで負い目を感じる必要があるのかという疑問が残る。
2018/08/12
ミッキー・ダック
自分を守るために、戦争犯罪者たちに加担し始めた外科医ハモンドだったが、いくつものリスクの大きい苦しい選択の過程で、加担することの罪の意識に目覚め、さらには積極的に彼らと闘うことに姿勢が変化する。それによりハモンドへの感情移入は強くなり、何度も押し寄せる危機にハラハラさせられる。アルコ、ジネタ、ヴィダーという陰のある人物達に絡んだ物語がそれぞれに展開し衝撃的な結末を迎える。繰り返されるドンデン返しに小気味よく翻弄される。サスペンスとして優れているだけでなく、民族浄化の犯罪に対する著者の怒りが伝わってくる。
2014/07/31
Richard Thornburg
感想:★★★★ 下巻もほぼ一気読み。 相変わらず騙されやすく、ちょっとダメっぽい印象のある主人公です。 しかし、よくもまああれだけの危機に遭遇するもんだと思うと同時に、逃げられない試練を乗り越えたもんだと感心しました。 下巻に入ってからも状況は二転三転し、読んでる私も見事に担がれた感じ(笑) ラストに近づくにつれて、少し主人公も救われた感が見えてきましたが、最期にまた落とされる感じです。 全体的には緊張感がみなぎっていていい感じなのですが、ラストは中途半端な印象で消化不良気味かな?
2014/10/07
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