女神のタクト (講談社文庫 し 104-2)
女神のタクト (講談社文庫 し 104-2) / 感想・レビュー
のり
全てを失って神戸に流れ着いた「明菜」は、粋な老人と出会い、新たな環境に身をおくことに…訳ありで表舞台から距離をおいたマエストロ「一宮拓斗」を引っ張りだし、弱小オーケストラ再建にのりだす。強烈な個性を持つメンバーや関係者。パンチパーマの別府はインパクト大。最高のオッサン。ステージマネージャーの松浦のプロの流儀。粋な老人、白石麟太郎の器の大きさ、良い意味での人たらし。魅了された者が続出。演奏の激しさも伝わってくる。凄く面白かった。
2018/06/10
ゆきちん
うん!これ、面白かった!ときに爆笑し、ホロリと感動し、気持ちよく終わる。仕事も恋人も何もかも失った三十路の明菜は傷心旅行の神戸の浜辺で出会ったおじいさんに指揮者を連れてくるバイトを頼まれる。その指揮者がヘタレで拉致監禁蹴飛ばして。で、西宮の貧乏楽団立て直しに関わることに。関西弁の会話のテンポやちょこちょこ入るネタのような笑い。奔走するお仕事感と感動の秘密。面白かったなぁ。もっと読まれてもいいと思う。
2018/02/08
TAKA
明菜と別府のやりとりは笑わせてもらいました。最後ホロッとさせられましたけど。女神は勝ち気で狂暴な感じだったのが泣き虫になったりで感情豊かであったけども、可愛らしかったなあ。内股のマエストロも別府もリーゼントの松浦も男前でした。あっ、辻はおいといて! 演奏会のシーンもくどくなく引っ張らずちょうどいい感じで読めました。興味があった作家さんだったのですが、満足です。
2020/06/20
三代目けんこと
笑いが出ます、涙が出ます、元気がでます。人生はやり直せます。
2020/08/15
Kazuko Ohta
関西弁全開の作品を読むといつも、関西人以外の感想が気になります。内容以前に関西弁がひっかかって読みづらくはないのだろうかと心配に。生粋の関西人としては、こりゃもうたまらん。稀にある、読むに耐えない関西弁ではなく、正しい関西弁。『拳に聞け!』で魂を射抜かれ、過去の作品に遡り。パンチパーマのオッサンを漆黒のブロッコリーに例えるセンスにもう脱帽(笑)。自信を失ったマエストロが破天荒な女に引きずられてステージに戻る。前半はさんざん笑わされ、『天城越え』で涙腺ゆるみ、オーケストラの演奏を文字で読んで完全に涙。好き。
2019/05/12
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