PK (講談社文庫 い 111-5)
PK (講談社文庫 い 111-5) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
SFといえばそうだが、むしろSFの手法を用いて書かれた小説とする方が妥当か。テーマは本質的には重いのだが、それを語る文体と表現はテーマに比して限りなく軽い。それこそがまさに伊坂幸太郎の小説作法であると言えばそうだ。それにしても、戦隊ものヒーローまで登場するキッチュさである。もちろん、それは作家の自覚があってのことだろう。真面目なことを真面目に語ることへの恥じらいとテレがあるのだ。あるいは伊坂の脳裏には太宰のそれがあったかも知れない。その結果だが、残念ながらテーマは未消化に終わったと評価せざるを得ない。
2017/09/25
ehirano1
よくもまあこんなプロットを思いつくなぁと圧巻の一言に尽きます。一つ一つの伏線はニヤリとしないヒトはいないのではないかと思ってしまい、最後は各々の短編をこれまた秀逸過ぎるくらいに上手く繋げてきます。拍手!
2019/09/14
射手座の天使あきちゃん
紙とペンを持ってカリカリ・コリコリ 時系列に登場人物の関連をメモしながら読みました、が・・・、が・・・ 難解、まったくもって不可解、しかも時間の不整合や意図的錯綜が随所に! 2002年ワールドカップはフランスじゃなく日韓共催ですよね? まるで「メビウスの帯」の上を進んでいるみたい(笑) 大森望さんの解説読んで「ふむふむ・なるほど」と目からウロコの今日この頃 よし、もぉ一回読もぉー! (^_^)v
2014/11/28
にいにい
久しぶりの伊坂幸太郎さん。中篇集だが、3話がリンクし、興味数倍。アドラーやチャップリンの名言が物語を深くする。伊坂さんの作品には、宮沢賢治の名言がポイントとなっていたこともあったな。この世界も、何かの犠牲で成り立っているのか?人は、勇気を試されるその決断が伝染し、時間をも超える。小さな変化が大きな変化を生む。ヒーローの真髄に迫る楽しみながら人生も視野におさめた意欲的な一冊。辛い出来事も解決策は見つけられるメッセージもあるのかな?
2014/12/11
山目
カオスとの戦いですかね?バタフライ効果のように些細な出来事が、大きな影響を引き起こす。その影響を止める方法とその是非は? 構成も面白く、三つの作品もそれぞれ楽しめ繋がりも良いと思います。「勇気は伝染する。」のPKは特に好きです。
2014/11/20
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