わたしの彼氏 (講談社文庫 あ 128-1)
わたしの彼氏 (講談社文庫 あ 128-1) / 感想・レビュー
coco夏ko10角
今まで読んだ著者作品で1、2番に好き。比喩や感情表現に「おっ」と何度も。残念イケメンな鮎太朗…周りの女性が気になってしまうのはなんだかわかる。たくさん登場する女性たちの中で、テンテンが一番まともなような、怖いような…。そして読んでる最中に思い出した二冊と合わせて「三大失恋小説」と解説で挙げられていて感覚の近さに嬉し。
2016/01/10
エドワード
確かに、一行一行が面白い。三人の姉に囲まれて育った大学生の鮎太朗は、静かなヤツだが女性との距離の取り方に天性の才能を発揮する。方向性は全く違うのに、小川三四郎や横道世之介、また自分の大学生活を省みて感慨深い。リリー、コドリさん、さっちゃん達が通り過ぎ、最も身近にいたテンテンとの恋の予感に終わる終幕が最高!「ふたが完全に閉まらない郵便受け」「シャケ弁のゴマがハートなんて」「鮎太朗は私たちのいびつな所を更にいびつにのばしていくのし棒だ。そして私たちは、彼にとことんのされたいのだ。」独特の表現が実に印象に残る。
2020/02/06
kaoriction@感想は気まぐれに
「幸せとは、状態のことではなくて、瞬間のことだ。」「手の届くぜんぶのやさしさをつかまえて、思いっきりあげて。遠慮も難しいこともいらないの。ただやさしくすればいい」。所々、立ち止まって繰り返し読んでみたくなる文章、言葉に出会う。それだけでもこの作品を読めた価値はある、と思う。好き嫌い、賛否両論ある作品のようだが、青山ファンというフィルターを取り除いてもとても好きな作品。やさしい人にわたしもなりたい。この手に抱えきれないやさしさを、その手をのばせば届くやさしさを、ぜんぶ。ぜんぶ、誰かにあげられる。そんな人に。
2018/06/15
*mayu*
繊細でイケメン、女の子にモテモテのはずなのに、何故か毎回ロクでもない振られ方をされ、姉にオモチャにされる鮎太朗が女たちに翻弄される物語。青山さん久々に読みましたけど、文体が可愛らしい。テンポ良く読めます。しかしサッちゃんのエピソードはなんか心がとても痛かった…あと物凄いテンテンに肩入れして読んでしまった(笑)
2015/04/10
Pure
鮎太郎というモテモテ大学生と彼を取り巻く女達のコメディ小説。コメディに文学的表現を詰め込むのは作者のユーモアか?鮎太郎が主人公になっているが、その実描かれているのは周りの女達。その女達に全くついていけない鮎太郎の情けなさとの対比に於いて、女達の必死さ、凄さが伝わってくる。すみません、男はそんな貴方達女の凄さについていけませんm(_ _)m。ごめんなさいという本でした(笑)。
2017/09/27
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