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近代ヨーロッパの覇権 (興亡の世界史)

近代ヨーロッパの覇権 (興亡の世界史)

近代ヨーロッパの覇権 (興亡の世界史)

作家
福井憲彦
出版社
講談社
発売日
2008-12-18
ISBN
9784062807135
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近代ヨーロッパの覇権 (興亡の世界史) / 感想・レビュー

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なかりょう

興亡の世界史シリーズ、自身16冊目の読了。現代の世界を形作ってきたヨーロッパの成り立ちを俯瞰して見るための良書であると感じた。今まさにヨーロッパ的な普遍性が揺らぎ始めているが、その背景についてもヒントを与えてくれると思う。ナショナリズムとその陥穽に関する論考は現代日本にも当てはまりそうで、深く考えさせられた。

2024/11/15

kanaoka 57

近代ヨーロッパの覇権は、アジアの人間にとって、植民地支配の脅威への対処、固有文化との決別、彼等の傲慢さ・差別思想との対決として捉えられるが、その事実がどのように展開されてきたのかを、冷静、客観的に、ヨーロッパ内部の視点から理解させてくれる。そこには、様々な要因、確執が絡まっており、今なお現在のヨーロッパの背景をなしている。 その源泉といえる国民国家の枠組みは、現代世界の基本的枠組みを構成しているが、その限界を露呈しつつある。 当たり前のように認識される近代の幻想を、疑わなくてはならない時代に突入している。

2019/06/07

ELW

 インドの独立が1947年、エジプトによるスエズ運河の国有化宣言とそれに伴う第二次中東戦争が1956年。つまり、 惰性でスエズ運河を保持しなくてはならない錯覚を有していた。著者は、The Great Warでやめることができなかった 模様。同シリーズの既刊を挙げておられるのと、ヤイスマンからの引用が目を惹いた。

2019/10/13

tieckP(ティークP)

フランスの19世紀を得意とし、現代の世界情勢に一家言ある方が、他の地域や時代について調べる時間は無かったが、さすがに知識人としての能力は発揮してとにかく大事な要素をやや脈絡はないものの語り流してみた本。おそらく時間があればもっとデータを集めて確信と共に語られると思うが、そこを語調でごまかしているので歴史書とは思えない。ただ、例えば資料を用意しないで敏腕歴史家に歴史を講演してもらったなら、曖昧なところはあるなりに全体の流れをこんな風に説明なさるのではないかなと、そういう見方で読めば高水準かなとも思う。

2017/02/27

nchiba

僕は歴史の授業があまり好きではなくて、なかでも世界史は興味がない分野だった。この本を読んでみようと思ったのは、「若者よ、マルクスを読もう」を読んで、近代思想を学ぶためにはやはり歴史を避けて通れないと思ったからだった。近代のヨーロッパの歴史を教科書的に概観するのに良い本だと思う。それにしても、「世界大戦」という言葉を聞くたびに、世界という概念はヨーロッパで生まれたのだなあと思うのだが、だから今世界に広がっている思想の大半がヨーロッパから生まれているってことを痛感せざるを得ないな。

2010/09/08

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