筒井版 悪魔の辞典〈完全補注〉下 (講談社+アルファ文庫 H 18-2)
筒井版 悪魔の辞典〈完全補注〉下 (講談社+アルファ文庫 H 18-2) / 感想・レビュー
活字スキー
現代人の感覚からすると、悪魔的というよりウザい厨二的コラム集。時と場合を選んでエスプリを効かせられる人は頭が良くてセンスがあると思うけど、何かとこうした陰険で露悪的な「オレは普通と違うぜヤバいぜ」アピールしたがる人は性格の悪い残念な人だと思う。PATRIOT【愛国者】名・全体の利益よりも一部の利益の方が大事だと考えている人。政治家のカモ。SHERIFF【保安官】名・アメリカにおける郡の最高執行官で、その最も特徴的な任務は、悪党をつかまえて吊るすことである。等々。下巻はM~Z。
2016/06/02
アズル
池袋のジュンク堂で取り寄せてもらってから、半年以上。ちびちび読みました。マイブームになっています。
2014/11/18
やましん
ゆる言語学ラジオで紹介されていたので購入。上巻から引き続いて尖りに尖った辞典となっている。最早辞典なのかも分からない。例えば「WEAKNESS」では、専制君主たる女性が持っている、もっとも基本的な力。その力で女性は同じ種族のオスを支配し、思いのままに奉仕させるためがんじがらめにして、反抗するエネルギーを麻痺させてしまう、とあり女性諸氏からしてみれば噴飯ものの偏見が記述されているが、全くの間違いにも思えないから笑ってしまう。時代が時代なら出版されなかったであろう。
2022/07/05
はち
こんな大著をよく翻訳したなぁ、と言うのが正直な感想。あとがきにもあるように、訳注だけでも相当苦労してるはず。この問題作を翻訳できるのは筒井康隆しかいなかっただろう。ビアスの笑いは確かに暗い。人の暗部をさらけ出すような笑いである。正直、あんまり得意な笑いではない。
2012/03/03
レートー・タト
上巻に引き続き、素晴らしい訳だと思う。ただ少し付け足しておくと、上巻にあるビアスの序文を読めば解るように、ビアス自身が甘口のワインよりは辛口を、感情よりはセンスを、ユーモア(諧謔)よりはウィット(機智)をと述べており、筒井氏の訳は、最後に訳業について彼が述懐しているように、笑いを引き起こすためにビアスの意向とは逆方向の態度を織り交ぜていると思われる。原文と見比べてもし何かずれがあると感じるとすれば、それは多少なりともビアスの意向に逆らっている筒井氏の訳業に対する態度のバイアスを感じるということだろう。
2012/08/03
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