殺された側の論理 犯罪被害者遺族が望む「罰」と「権利」 (講談社+アルファ文庫 G 160-2)
殺された側の論理 犯罪被害者遺族が望む「罰」と「権利」 (講談社+アルファ文庫 G 160-2) / 感想・レビュー
hatayan
犯罪被害者の問題を考えるには、遺族のその後や心情を具体的に想像することが大切と説く一冊。 加害者が少年だと更生が優先され、むしろ被害者が加害者を責めるように捉えられる。被害者を置き去りに進む死刑廃止の議論。被害者の活動が政治を動かし、2004年に犯罪被害者等基本法成立、2010年に殺人の時効廃止へ至ります。 「家族を殺された者が、加害者を殺したいと願って何がおかしいのか」という本村洋さんの言葉。死刑制度が廃止されると、人を何人殺しても国家が加害者の生を保証することになる。それが果たして正義なのでしょうか。
2019/06/01
ねこまんま
「死刑のある国ニッポン」を途中まで読んで、あまりにも多岐にわたる内容と論点に全くついて行けず、まずお二方の著書を一冊ずつ読んでから再挑戦しようと手に取った一冊。これは死刑存置派の藤井誠二氏のノンフィクション。裁判は犯罪者の更生を第一の目的とし、犯した犯罪の重さに釣り合う懲罰を決める場所にはなっていない印象。「生きて生涯、罪を償いたい」ってよく聞くセリフだけど、具体的に何をするんでしょうね。なにをもって償いなのかが明確でない以上、不確かで無責任な言い分だと思うわ。犯罪者に甘く、被害者に冷たい国だと思う。
2016/03/15
うさうさ
多くの被害者遺族を取材してきた著者の渾身のルポ。大勢で1人の少年をリンチ死させた事件が2つ出てるけど、少年院は1〜2年で出所して日常生活に戻り遺族とスーパーで顔を合わせるそうだ。 何じゃそれ。子どもを殺された悲しみや怒りは、少年たちが将来結婚して産まれた子どもを殺された時に初めて己の行いを悔やむのだろう。
2019/06/12
ランフランコ
遺族の話はいちいちもっともである。被害者側の肉体的精神的苦痛、金銭的負担、その後の生活状況の悪化は見るに絶えない。日本の司法は犯罪者に手厚く、被害者に厳しいと思う。俺は死刑制度やむなしだと思う。個人的には現実的ではないけれどもやったことと同じことを罰として受ければ、被害者も遺族も気持ち的には納得できるのではないか?
2019/11/09
tenso_h(堀川てんそ)
直接にこの本への想いを記すことは控えたい。私の平穏な日々は過去の人々が築いた制度に保証されている。大上段に構えなくても多くの人が大事なことを日々議論し、少しでも前進してゆく社会を実現するにはどうすればいいのだろう。沢山のことが胸にグルグルと渦巻いているのだけれど、今は言葉に出来ない。
2013/03/15
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