ワイルド・スワン 上 (講談社+アルファ文庫 G 280-3)
ワイルド・スワン 上 (講談社+アルファ文庫 G 280-3) / 感想・レビュー
金吾
○四代にわたる一族の歴史を通じ、近現代の中国を見ることができます。恵まれた立場である著者の一族から見ても、国共内戦や共産中国特に大躍進政策の凄惨さがよく伝わります。
2022/07/20
あつ子🐈⬛
再読。単行本が図書館にあって、当時夢中で読んだ思い出。今ふたたびの寝不足本です。清朝末期から現代までの激動の中国大陸を舞台に、強く生きた女性三世代の物語。文革とか共産主義とか世界史で習ったことどもが、確かに私の血肉となった。この本のおかげです。しかし本当に毛沢東はどーしようもねえな…とイライラしつつ下巻へ。
2023/08/17
ちゃま坊
「習近平の文化大革命2.0」という記事を見て気になった中国の近代史。太平洋戦争時の日本軍、ソ連軍、蒋介石、毛沢東と支配者が目まぐるしく変わる時代から始まる。作者の母を中心に描いたファミリーヒストリー。この時代どこに属するかで運命は大きく変わる。選択を誤って殺されたり追放された同胞は多くいる。この家族はうまく生き抜いて中国共産党のメンバーとなるが、さてそれからの運命は悪い予感が。再読。
2021/10/06
太田青磁
父は戦闘のさなかでさえ古典詩の本を肌身離さず持ち歩くような男だ・父にとって党に対する忠誠は絶対、母の忠誠は理性と感情の双方に支えられていた・耐えがたい痛みにあえぎながら、母は兵舎まで歩いた。母から最初に出たのは「離婚してください」ということばだった・いったん革命に身を投じたら抜けるという選択肢はぜったいにない・父の場合はイデオロギー、夏先生の場合は人道主義・勉強と並んで両親は私たちに確固たる倫理観を植えつけた・自己審問と自己批判、毛沢東の中国を象徴する習慣は、自分の考えを一切持たない人間を作る目的だった
2022/11/03
numno1
文革の時代を生きた著者の自伝ノンフィクション。祖母・母の時代から始まり、文革直前まで。著者はまだ10代。国共内戦でどうして共産党が勝てたのか? というのがいまいちわかってなかったんですが、終戦直後の時代は、国民党は戦前の役人や資産家の腐敗という社会構造をそのまま引きずっていて、それに対して共産党は比較にならないくらい清廉だったんですね。でも勝利以降だんだん行き過ぎていくと。
2020/11/13
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