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ワイルド・スワン 下 (講談社+アルファ文庫 G 280-4)

ワイルド・スワン 下 (講談社+アルファ文庫 G 280-4)

ワイルド・スワン 下 (講談社+アルファ文庫 G 280-4)

作家
ユン・チアン
土屋京子
出版社
講談社
発売日
2017-11-22
ISBN
9784062816656
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ワイルド・スワン 下 (講談社+アルファ文庫 G 280-4) / 感想・レビュー

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金吾

○全体を通じ迫力ある文章に引き込まれます。文化大革命については、権力者の絶対的正義と権力闘争の激しさ、時流に乗るために手段を選ばない人等印象深いことが多かったです。一家を中心にしながら中国全体も想起させるいい本だと思いました。

2022/07/20

ちゃま坊

文化大革命は毛沢東というボスが起こした反乱。大躍進政策を批判するナンバー2以下の勢力に対し、まず学生を使って魔女狩りをやった。相互監視と密告を奨励し、紅衛兵という少年たちに残虐行為をやらせる。多くの知識人が粛清され、国家にとって大きな人材損失となった。作者の父は共産党幹部だったが被害にあった。死者の数ではスターリンやヒトラーを凌ぐという毛沢東。まるで狂ったカルト教団に支配されたような時代だった。このへんは山崎豊子「大地の子」と合わせて読みたい。

2021/10/09

あつ子🐈‍⬛

凄まじい物語です。大陸に吹き荒れた文革の猛威がどれほど多くの人々の命を奪ったかに愕然とします。そして階級敵人の烙印を押されたお父上が、どんなに苛められても決して自分の信念を曲げなかったこと、そんな彼をチアンさん家族が決して見捨てなかったことに胸を打たれました。涙なしでは読めん…。何年か後、徐々に雪解けが進むなか大学に進んだチアンさんが、まだ文革の爪痕も生々しい図書館へ西洋の本を求めて駆けてゆく時のあの溢れんばかりの喜び!学問は正しく翼を授けてくれるのですね。あの嵐を生き延びた人々に、幸あれかしと願います。

2024/03/02

太田青磁

私たちは声を揃えて『毛沢東語録』を唱えた。いまでも私はたくさんの文章を一言一句間違わずに暗唱することができる・子供がかわいくない人はいないよ。しかし共産党員はそれを越えなくてはならない。迫害の犠牲になった人々の子供のことも・父は大きな流しに火を起こし、その中へ本を投げこんでいた。生まれてはじめて、父が泣くのを見た・母は、資本主義路線に同調する誤りを犯しましたという罪認書に何回となく署名した。けれども、父を批判することは断固拒絶した・父の目には、気力も能力もありながら働く場を奪われた男のやりきれなさがあった

2023/05/10

numno1

上巻の大躍進時代も悲惨ですが、やはり文革ですね・・まだしも恵まれた家庭に生まれ育った著者にしてこれか、という感じ。しかし、文革の悲惨さもさることながら、負けまいと強く生きる著者とその家族に心打たれる話でした。

2020/11/20

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