百年の家 (講談社の翻訳絵本)
百年の家 (講談社の翻訳絵本) / 感想・レビュー
匠
1900年からの歳月を語る一軒の古い家。月日の積み重ねがやがて百年の歴史を作るという重み。そこに暮らす家族の喜びも哀しみも見守り、そして戦争に家も傷つけられ、そうしながらも生き延びていく建物。変化は家の周囲だけでなく人々の生活も服装も走る車も変わっていく。だけど人が住まなくなって廃墟となり、代わりに現代のおしゃれな家が建ったページで考え込んでしまった。近代化され美しく生まれ変わった家には、かつての面影は何一つない。”なくなったものの本当の護り手は日の光とそして雨だ”という言葉が読後もずっと頭から離れない。
2014/07/28
kanegon69@凍結中
1656年ペストが流行った年に石と木だけで建てられた古い家。長い間放置されてきたが1900年に子供達に見つけられる。そこから100年間、家と周辺の景色の変化と出来事を描いている。何といっても絵が凄い!大判の両面を使っての絵が非常に魅力的。ものすごく緻密で目に焼き付く鮮やかな絵!そしてストーリーも2度に渡る大戦時の様子や、人々の暮らしの移り変わりを映し出す。ひたすら同じ場所の家を定点観測していて、人間の悲喜こもごもの100年が描かれている非常に面白い趣向だ。詩の翻訳が長田弘さんというのもよかったですね。
2020/01/01
紫 綺
家は見てきた。百年の間、人間を、季節を、時代を。家を中心に同じ構図で、それぞれを描き分ける、とても緻密でやさしい絵。感動モノ!!私の大好きな一冊♪
2014/11/29
KAZOO
読み友さんのおすすめの本で図書館から借りてきて読んでみました。絵の場面はいつも同じなのですが、1656年に建てられた石の家が1900年から現在までどのような歴史をたどってきたかが細密な絵とともに目を楽しませてくれます。最後の絵が最新の建物に変わってしまったのが少し残念な気がしました。石造りのままのほうがいい感じですが。でも自分でも持ちたい本です。
2015/09/05
gtn
主がやってきて蘇り、主が去って再び使命を終える家。私の近所にもそんな古い町家があちこちにある。その建物が姿を消すと、そこにどんな家があったか思い出せないことも多い。人も亡くなれば、そんなものかも。
2019/11/24
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