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情報環境論集―東浩紀コレクションS (講談社BOX)

情報環境論集―東浩紀コレクションS (講談社BOX)

情報環境論集―東浩紀コレクションS (講談社BOX)

作家
東浩紀
出版社
講談社
発売日
2007-08-02
ISBN
9784062836265
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情報環境論集―東浩紀コレクションS (講談社BOX) / 感想・レビュー

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ころこ

後半は「サイバースペースはなぜそう呼ばれるか」で、以前文庫で読み、今回再読しました。デリダのラカン解釈を中心としたマクルーハン、ボードリヤール、ディック論と今でも色褪せないのは、図を多数用いて工学的で機能的な説明に終始しているからだと思います。前半はそれから数年後の「情報自由論」です。読み易いですが、それは当時の現実に沿っているからで、古さは否めません。しかし、コロナによって復活した議論、フーコーの議論をドゥルーズが補足した「規律訓練型権力」と「環境管理型権力」の内、後者とカリフォルニア・イデオロギーが接

2021/05/23

hitotoseno

東浩紀がそんじょそこらのボンクラとは格が違うことを示す一冊。「情報自由論」はちょうど9.11以降のセキュリティ強化、およびネット空間の自由について論議が繰り返された頃に連載された論考ではあるが、世界中のあちこちにテロリズムがはびこり、片や「ビッグデータ」と称して大手IT企業が個人の行動履歴をあっさりと収集できる世の中になった今読んでみると、経年劣化はまるでしていない、いやむしろアクチュアリティが高まっているのでは、と思わせられる。

2018/06/02

サイバーパンツ

一部は、環境管理型権力が染み渡る世界で動物的な生を享受するかはとりあえず置いといて、個人情報が完全データベース化されずに匿名的に生きたい人のことや「不安のインフレ」が起きてることは考えた方がいいよねって話で、これは割とあっさり目。それより面白いのは二部の方で、肝心のサイバースペース論までは行かないんだけど、ラカン批判から始めてデリダをメディア論的に導入し、ディックの不気味なものモチーフやベンヤミンの視覚的無意識と繋ぎ合わせていく独特の論からは、郵便本と動ポモを繋げる思想的エッセンスを感じさせる

2017/06/06

yamayuuri

速読。後半の再バースペースの話は2割も分からなかった。が、前半の情報管理、環境論についてはいまの自分の問題意識とぴったり重なる。国家とか、大資本家とか、どこかに見えやすい対象がいて、我々がそれに支配されているとか言う話は終わっていて、実は我々を支配し、監視するのは隣人だったりする。また、東浩紀が面白いのは、われわれ人間はそれほど賢くもなければ、賢くなる必要も無いと考えているらしいこと。情報管理、環境管理を徹底させ、人間がどんなに馬鹿でも(あるいは動物的でも)生きていけることを考えている。大塚英志の苛立って

2010/10/07

白義

長らくネットの無料公開でしか読めなかった情報自由論が改めて書籍化された意義はでかい。社会のセキュリティ化に対応して描き出される新たな自由哲学模索の試みとして最も優れたものの一つだろう。しかし第二部のサイバースペース論の方が面白かった。実質、サイバースペース論までは進まず、ディック論と情報社会における主体の変容が主な主題だが、かなり濃くて面白かった。ラカン批判からデリダのメディア論的読みにディックの不気味なものモチーフの解読が重ね合わされ、郵便本の続編、展開的に位置付けることもできるだろう

2011/03/07

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