批評の精神分析 東浩紀コレクションD (講談社BOX)
批評の精神分析 東浩紀コレクションD (講談社BOX) / 感想・レビュー
半木 糺
2001年から2007年までの対談や座談会をまとめたもの。本書を読むと、スタンダードな作品読解ではなく、それを存在せしめている「環境」を批評することによって新たな「場」を創造させようとする東浩紀の批評家としての姿勢が明らかになる。東浩紀が一貫して、ルートによる分岐が基本的構造である美少女ゲームを批評しているのもこの立場によるものである。「可能世界の想像力をテコにして、他者への倫理的態度を育てる」この理想を持ちつつオタクカルチャーへの批評活動を続ける限り、私は東浩紀という人物に注目しつづける。
2014/06/10
白義
第七章の「どうか、幸せな記憶を」が一番面白かった。このシリーズでは比較的薄目だったオタクカルチャー批評家としての東氏が前面に出ていて、ギャルゲー、及びギャルゲーをめぐる環境の問題がよく描き出されている。東浩紀というのは根本的には環境と空間の人なのだと思う。対象が正義であれ都市であれ、必ずそれを語る前提である環境の力学を見極めてから語ろうとする。対話により問題意識が見えやすく、コレクションの中でも一番入門書らしい内容
2011/03/08
きをふし
イラストがあほらしくてすてき。
2013/11/21
OHKINA
東浩紀さんの対談集。オタク・情報論・社会学など、多岐にわたるテーマについて話したものをまとめてある。内容も比較的分かりやすく、彼と似た問題意識を持った方が出ているので興味を広げるのにも良いと思う。
2010/05/17
ハイザワ
「工学」と「環境」があらゆるものに与える影響を非常に重視する、という点で一貫していた。細かいところでいうとセキュリティと多文化主義の関連と、カントについての議論が印象に残った。あとは「文学」の領域の話も……
2016/11/16
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