終物語 (上) (講談社BOX)
終物語 (上) (講談社BOX) / 感想・レビュー
くろり - しろくろりちよ
<物語>シリーズ16冊目。「そだちロスト」「おうぎフォーミュラ」「そだちリドル」収録。阿良々木暦が、老倉育という記憶から消えてしまった少女を軸に、忍野扇に導かれ自分の原点へと遡る物語。友達を作ると人間強度が下がるなどと言い出した高校一年生、唯一の得意科目が数学である理由となった中学時代、自分を自覚した阿良々木暦が阿良々木暦となる現在。忍野扇はまるで「世界の法則」であるかのように自分に嘘を吐き続け齟齬が生じることを許さない。羽川翼と対立構造となり、彼女はどう物語を正していくのか。ラストシーズン続刊期待。
2013/12/31
流言
過去は創れない。もちろんフィクションでは創ることはできるのだけど、あまりにも突飛な過去を創り出すのは無理がある。その前提のもと、ミステリー仕立てとしてどう仕上げるのかと気にかかったがなるほど見事だ。社会的には些事でも本人にとっては人生を捩じ曲げてべこべこにしてしまった話。おうぎフォーミュラとその名を冠す忍野扇が大活躍の巻でもある。羽川翼と戦えるのは学生キャラでは唯一か。彼女の非日常感が、この作品の数々の超常現象をナチュラルにスルーさせている。一貫してシリアスで、このテイストでエンディングまで臨んで欲しい
2013/11/20
ひめありす@灯れ松明の火
蟹に奪われた少女を救い、蝸牛に迷う少女を救い、猿に願った少女を救い、蛇を呪った少女を救えず、猫に魅入られた少女を救い、人に依存した吸血鬼を救い、蜂に魘される少女を救い、不死鳥が化けた少女を救い、三度吸血鬼を救い、虎を誑かした少女を救い、式神の少女を救い、幼女を童女を少女を吸血鬼を怪異を神をくらやみを呪いをかけた相手をあらゆるものへ救いの手を差し伸べてきた少年が、ただ一人、語らず赦さず救おうとさえしなかった存在。阿良々木暦、自分自身の物語。老いる程に育んだアイデンティティ。さあ、終わりの始まりを終わらせよう
2014/08/27
Yobata
「青春の、終わりを告げる影がさす。」西尾維新が描く青春怪異譚、第15弾。直江津高校に転校してきた一つ下の後輩・忍野扇。彼女に誘われて辿り着いたのは、老倉育という因縁深い少女との過去だった。自分が何で出来ているかを忘れてしまった阿良々木暦は自身の“始点”を探る為、2年前,5年前,そしてそれより過去を思い出す…。おうぎフォーミュラ,そだちリドル,そだちロストの3話。阿良々木君のなぁなぁにしてきた過去が忍野メメの姪を語る忍野扇という少女によってどんどん清算されていく。セカンドシーズンでは謎多き少女だった→
2013/10/23
みか
あんまり期待してなかったけど、面白かった! 直江津高校に阿良々木くん以外の男子生徒がいることもわかり、ちょっと新鮮でした。扇ちゃんの胡散臭さがいや増したところで、立て待て次回。楽しみだぁ。
2013/12/22
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